青森県内の農業団体や県でつくる県農業再生協議会(会長・阿保直延県農協中央会長)は14日、県産主食用米の2021年産生産量の目安を前年比9895トン減の22万1334トンと発表した。国の生産調整を廃止した18年産以降、過去最低で減少量は最多。豊作基調で生じた供給過多と新型コロナウイルスの影響による外食向けの需要下落などが原因で、協議会事務局は「全国のコメ産地が需給安定に向けて取り組むことが必要」と見解を示した。[br][br] 生産量の目安は、18年産から各都道府県がそれぞれ決めている。県内では県協議会が11日に青森市で総会を開き、各地域協議会が積み上げた生産計画数量を基に独自の目安を決定した。[br][br] 作付面積で換算すると、1670ヘクタール減の3万7402ヘクタールで生産量と共に過去最低。40市町村のうち、風間浦村と外ケ浜町を除く38市町村の地域再生協議会が前年より目安を引き下げた。[br][br] 国全体のコメの消費動向をみると、19年産米の需要量は前年比22万トン減の713万トン。食生活の多様化によるコメ離れで減り幅は毎年拡大している。今年はさらに新型コロナ禍で外食向けのコメが売れず、消費停滞に拍車を掛けた。県産米では、外食向けに引き合いのある主力品種「まっしぐら」が主に打撃を受けた。[br][br] 県協議会は今後、国が発表する市町村別の単収(10アール当たりの収穫量)を加味して面積換算し、各地域協議会に情報提供する。[br][br] 県農産園芸課の近藤幹三課長は「産地交付金を最大限に活用した飼料用米、輸出用米への転作や高収益作物の導入に力を入れていきたい」と述べ、主食用米以外の生産に重点を置く考えを示した。