北奥羽の成人式、中止や延期相次ぐ 開催でもPCR義務化なども/主催者「申し訳ない」と苦悩

大人としての自覚を胸に、新たな人生の一歩を踏み出す成人式が、新型コロナウイルスの影響に揺れている。北奥羽地方の自治体の多くが来年1月の開催を目指しているが、全国的に感染が拡大する状況を踏まえ、既に中止や来年夏への延期を決断した自治体も。開催.....
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 大人としての自覚を胸に、新たな人生の一歩を踏み出す成人式が、新型コロナウイルスの影響に揺れている。北奥羽地方の自治体の多くが来年1月の開催を目指しているが、全国的に感染が拡大する状況を踏まえ、既に中止や来年夏への延期を決断した自治体も。開催する場合でも、入場を新成人に限定したり、出席者全員にPCR検査を義務付けたりといった独自の対策を講じる方針だ。自治体の担当者は「新成人のことを考えると申し訳ないが、感染状況を踏まえると仕方がない」と苦悩し、理解を求めている。[br][br] 成人式を巡っては、例年、夏に開催している町や村などがコロナの影響で冬に延期したため、多くの市町村が1月に成人式を行う。八戸市や二戸市、南部町などは例年通り開催する。[br][br] 一方、県外から帰省して式に参加する新成人が多いことなどから、野辺地町と六ケ所村は中止を決定。例年夏に実施していた六戸町、横浜町、大間町は来年1月に延期していたが、開催を見送った。東北町、田子町、佐井村、軽米町、九戸村は来年8月に延期した。[br][br] 六ケ所村の担当者は「新成人のことを考えると申し訳ない。ただ、県内でも感染者が増えている状況では仕方がなかった」と悔しさをにじませる。[br][br] 成人式を実施する各会場では、「3密」の回避や小まめな消毒を実施して感染予防を図る方針。多くの自治体が、スマートフォンを使った感染者との接触確認アプリのインストールを推奨しており、久慈や三沢などでは式前の直近2週間の行動に関するチェックシートに記入してもらい、健康状態の確認を行う。[br][br] 参加者には検査を義務付ける自治体もある。十和田市、三沢市、むつ市、東通村、風間浦村はPCR検査、七戸町は抗原検査を参加者全員に受けてもらう。費用は自治体側が負担する。[br][br] 三沢市教委の担当者は「中止するのは簡単だが、新成人にとって成人式は一度きり。非常に苦慮しているが、開催の準備を進めていきたい」と力を込めた。[br][br] 人生の門出を迎える新成人たちの思いも複雑だ。階上町の男子大学生(19)は「県外から多くの人が来るため不安はあり、参加を申し込んだが、今でも悩んでいる」と本音を明かす。[br][br] 八戸市の女性会社員(20)は「参加することに不安もあるが、思い出に残る大切な日。騒ぎたい気持ちを抑えて、大人としての行動で感染対策に協力したい」と話した。