八戸港の1~11月の水揚げは数量5万3261トン(前年同期比11%減)、金額115億1723万円(13%減)で、深刻な不漁に見舞われた昨年をさらに下回ったことが、八戸市水産事務所が11日に発表した水揚げ統計で分かった。12月は例年、漁獲が落ち込む傾向にあり、年間の実績が2年続けて7万トン、150億円を割り込む可能性もある。[br][br] 水揚げの主力を担う大中型巻き網船は3万3406トン(17%減)、33億1506万円(19%減)と苦戦。秋以降の柱となるサバは昨年より20日ほど早く、10月下旬から本格化したものの、総じて魚影が薄く、1隻当たりの数量が伸びない日も多かった。[br][br] 11月下旬には主要な漁場が福島沖以南に下がり、船団も八戸から拠点を移した。ただ、今季はサバの群れが例年と異なる動きを見せており、船団が操業する海域によっては、今後も水揚げに入港する可能性が残されている。[br][br] イカ釣りは8667トン(2%減)、41億4343万円(6%減)。大中型イカ釣り船の船凍アカイカは6528トン(9%減)、23億9904万円(26%減)にとどまった。[br][br] 船凍スルメイカは1198トン(39%増)、11億1187万円(74%増)と伸びたものの、関係者は「昨年が悪すぎた」と指摘。9、10月には日本海の自国の排他的経済水域内で中国船の違法操業が問題化したが、11月以降は復調の兆しを見せている。[br][br] 金額で、全魚種の10キロ当たりの平均単価は2162円(3%減)。新型コロナウイルスによる需要減の影響が続いているという。