大島理森衆院議長(74)は12日、通算在任日数が2030日となり、明治憲法下の帝国議会を含めて歴代最長を更新した。これまで最長の河野洋平氏(83)を抜き、単独1位となった。大島氏は11日、国会内で記者会見し、平成から令和をまたぐ約5年8カ月の在任期間を振り返り、「時の巡り合わせと全ての方々のご恩のおかげだ」と述べ、今後も全力で職務を全うする姿勢を示した。[br][br] 大島氏は2015年4月、前の議長だった故町村信孝氏の病気療養による辞任を受けて第76代衆院議長に就任。議長は総選挙ごとに1期務めるのが通例とされる中、前天皇陛下(上皇さま)の退位に向けた特例法の与野党協議を取りまとめるなど、その手腕が高く評価され、17年衆院選後の特別国会で再選(第77代)された。[br][br] 18年の通常国会後には、財務省の決裁文書改ざんといった不祥事を受けて異例の所感を発表し、政府に苦言も辞さない姿勢で立法府トップとしての存在感を示した。[br][br] また、行政監視を強めるための予備的調査活用を野党に助言したり、改正入管法の審議を巡って法施行前にも委員会質疑を行うよう与党に促したりするなど、党派に偏らない国会運営に腐心してきた。[br][br] 大島氏は会見で、今年が日本の議会開設130年の節目だったことに触れ、「改めてわが国の議会制民主主義の歩みを省みて改善に努力しつつ、憲法に定められた国会の機能を果たしていけるよう職責を全うしなければならない」と決意を新たにした。