青森県は10日、2019年の県観光入り込み客統計を公表した。観光入り込み客の延べ人数は3544万2千人(前年比1・2%増)、実人数は1439万3千人(12・1%減)、観光消費額は1910億3千万円(0・4%増)。入り込み客と観光消費額は、現行基準の調査が始まった10年以降、最高だった。県は「インバウンド(訪日外国人客)の増加や、県が推進する周遊観光により観光地の立ち寄る場所が増加し、消費額も伸びた」と分析している。[br][br] 統計は観光庁の共通基準に基づき、県内の観光地点や行祭事などを調査。入り込み客数は観光地点を訪問した人数の合計、実人数は入り込み客数を1人当たりの訪問箇所や宿泊日数などで割って推計、観光消費額は実人数に消費単価を乗じて推計した。[br][br] 実人数のうち、日帰り客は1009万5千人(11・5%減)、宿泊客は429万8千人(13・5%減)。[br][br] 県内客は797万7千人(14・5%減)、県外客は609万9千人(10・2%減)と落ち込んだが、インバウンドは31万6千人(22・7%増)と大幅に増加した。[br][br] 観光消費額を費用別に見ると、宿泊費が645億6800万円(2・2%増)で最多。飲食費や入場料などは519億6千万円(1・5%増)、土産代468億200万円(2・0%減)、交通費276億9900万円(1・6%減)と続いた。[br][br] 19年は青森空港発着の台北線就航や、青森港国際クルーズターミナルの運用が始まるなど訪日客の利便性が向上。県観光企画課の宮古曉課長は「19年はインバウンドが好調だった。20年は新型コロナウイルスの影響による落ち込みが想定されるが、情報発信やコンテンツ開発など、今できることに総力を挙げる」と述べた。