幅広い客層取り込みへ 八戸市中心街に立地のさくら野、三春屋

テナントとして「すずのき」が入居したさくら野八戸店(上)と、化粧品のセレクトショップなどが入る三春屋=八戸市中心街
テナントとして「すずのき」が入居したさくら野八戸店(上)と、化粧品のセレクトショップなどが入る三春屋=八戸市中心街
消費者のライフスタイルや買い物環境の多様化が進む中、八戸市中心街に立地する百貨店2店舗は、幅広い客層の取り込みを狙った新たなビジネスモデルを模索している。さくら野八戸店は近年、施設内に専門店を誘致するテナント事業を強化。人気の100円ショッ.....
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 消費者のライフスタイルや買い物環境の多様化が進む中、八戸市中心街に立地する百貨店2店舗は、幅広い客層の取り込みを狙った新たなビジネスモデルを模索している。さくら野八戸店は近年、施設内に専門店を誘致するテナント事業を強化。人気の100円ショップを入居させるなど、従来の百貨店とは一線を画した売り場づくりを進める。三春屋は1階フロアを中心にリニューアルし、若い世代をターゲットにした化粧品やアクセサリーなどの売り場をアピールしている。[br][br] 買い物客に“ハレの場”を提供する従来型の百貨店は、いわゆる「百貨店ブランド」の衣料品を主力に販売してきた。だが、近年はファッションの価値観が多様になり、インターネット通販や量販店との競合も激化。環境の変化を踏まえ、百貨店の「普段使い」を重視する店舗も増えている。[br][br] 今年は新型コロナウイルスの影響で、百貨店ブランドの商品を供給する大手アパレル企業の経営破綻や撤退もあり、各百貨店では売り場の見直しが進んだ。[br][br] さくら野八戸店はテナント事業を強化し、昨年7月に100円ショップ「Seria(セリア)」、今年7月に着物専門店「すずのき」を施設内に誘致。いずれも同じ中心街からの移転だが、新たなテナントの入居によって施設の活性化につながり、ほかの売り場にも波及効果が表れたという。[br][br] セリアには幅広い客層が訪れており、さくら野の小笠原聡店長は「来店機会が増えた中高生にも、将来のさくら野のお客さまになってもらえるように魅力を発信していきたい」と話す。[br][br] 今月4日には、2階の「紳士フロア」に新店舗をオープンさせるほか、来年3月にはバッグショップを展開する「盛田」の店舗がテナント入居する予定だ。[br][br] 三春屋は今年6月以降、売り場のリニューアルを進めてきた。中心街のメインストリートに面した1階フロアには、国内外の化粧品を豊富にそろえた直営のセレクトショップを構えた。[br][br] 1階にはこのほか、アクセサリーショップの「ジュノ」、婦人服や雑貨などを販売する「インシストセンソユニコ」が入居。三春屋と出店事業者が連携して運営しているのが特徴だ。[br][br] 一時はアパレルブランドの撤退で複数店舗が閉店したが、今は全フロアの空きが解消。11月には学校指定用品を扱う「スクールSHOPハシブン」が出店し、学生服を販売する三春屋との相乗効果が期待される。[br][br] 三春屋の西野景子・衣料品ライン長は「化粧品販売などの効果で、今までは少なかった10代、20代の来店が増えた。今後も新たな客層を取り込む売り場づくりを進めたい」と語った。テナントとして「すずのき」が入居したさくら野八戸店(上)と、化粧品のセレクトショップなどが入る三春屋=八戸市中心街