“自然を歩く観光”の可能性探る 「潮風トレイル」活用した旅行商品を開発中

ゴール地点の蕪島に到着したモニターツアーの参加者。VISITはちのへなどは、みちのく潮風トレイルの旅行商品の開発を進めている=15日、八戸市鮫町
ゴール地点の蕪島に到着したモニターツアーの参加者。VISITはちのへなどは、みちのく潮風トレイルの旅行商品の開発を進めている=15日、八戸市鮫町
八戸市の蕪島から福島県相馬市の松川浦までの三陸沿岸をつなぐ「みちのく潮風トレイル」の利活用策として、八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)「VISIT(ビジット)はちのへ」などが、種差海岸・階上区間の旅行商品の開発に取り組んでいる。新型.....
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 八戸市の蕪島から福島県相馬市の松川浦までの三陸沿岸をつなぐ「みちのく潮風トレイル」の利活用策として、八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)「VISIT(ビジット)はちのへ」などが、種差海岸・階上区間の旅行商品の開発に取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響で地域の観光産業が打撃を受ける中、「3密」を避けやすい“自然を歩く観光”の可能性を探る。一方、潮風トレイルはかねて利用促進が大きな課題。新たな魅力を創出し、感染収束後の一日も早い旅行需要の回復にもつなげられるか、地元関係者の試行錯誤が続く。[br][br] 潮風トレイルは、環境省が東日本大震災の復興支援として進める「グリーン復興プロジェクト」の一環で整備。総延長1025キロに上る国内最長のトレイルだ。2013年11月に八戸―久慈区間が先行開通し、19年6月に全線が開通した。[br][br] 蕪島が「北の起終点」となる種差海岸・階上区間では、同省がトレイルの利用者数を計測するカウンターを種差漁港に設置。利用者に任意で押してもらうため実数ではないが、八戸自然保護官事務所の太刀川晴之自然保護官は「関係者の声を聞いても、近年はトレイルの利用が増加傾向にあるようだ」との認識を示す。[br][br] ただ、利用者はトレッキングの愛好家が多く、観光活用としての広がりは十分ではない。今年はコロナ禍で利用者数も前年実績を下回っている。潮風トレイルのツアーを企画する「ACプロモート」(八戸市)の町田直子代表は「地元や近隣地域の人にも、トレイルは気軽に楽しめることを発信したい。距離を取って歩けば密にならず、新型コロナに対応した近場観光の一つにもなる」と強調する。[br][br] 潮風トレイルの新たな魅力創出に向け、VISITはちのへは青森県の委託事業として、種差海岸・階上区間の旅行商品の開発に着手。今月15日にモニターツアーを開催し、市民や関係者ら約30人が種差天然芝生地から蕪島までのルートを歩いた。蕪嶋神社では社殿内で御祈祷(きとう)を受けるなど、体験型企画も充実させた。[br][br] 参加者の一人で、潮風トレイル全線を踏破した経験がある写真家の地現葉子さん=広島県出身=は「八戸はトレイルの起点にも終点にもなり、歩きやすい区間で景色も素晴らしい。人の営みを感じ、地元の人と交流しながら楽しめるトレイルは貴重だ」と話す。[br][br] 28日からは1泊2日の予定で、階上エリアを加えたロングコースのモニターツアーを実施している。初日は参加者が階上岳登山やサイクリング、種差キャンプ場で豪華なキャンプの「グランピング」を体験した。[br][br] VISITはちのへの担当者は「コロナ禍が落ち着き、国内外の旅行者が以前のように八戸圏域を訪れてくれる時に向け、観光資源の磨き上げや準備を進めていきたい」としている。ゴール地点の蕪島に到着したモニターツアーの参加者。VISITはちのへなどは、みちのく潮風トレイルの旅行商品の開発を進めている=15日、八戸市鮫町