【南八甲田無断整備】背景に蔦沼や赤沼の来場増 今秋には看板無断設置も

赤沼に無断設置された看板。設置者が16日に撤去した=9日、十和田市
赤沼に無断設置された看板。設置者が16日に撤去した=9日、十和田市
南八甲田の「赤沼・松森コース」で行われた無断整備は、朝焼けの紅葉が見られることから、近年、大勢の来場者が訪れる蔦沼の人気が背景にあるようだ。蔦沼の混雑に伴い、同様の絶景が見られる赤沼も徐々に知名度が高まっている。今秋には、赤沼周辺で遭難防止.....
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 南八甲田の「赤沼・松森コース」で行われた無断整備は、朝焼けの紅葉が見られることから、近年、大勢の来場者が訪れる蔦沼の人気が背景にあるようだ。蔦沼の混雑に伴い、同様の絶景が見られる赤沼も徐々に知名度が高まっている。今秋には、赤沼周辺で遭難防止を目的に、一般の登山者が無断で道案内などの看板4基を設置したが、後に環境省が違法と判断し、登山者自ら撤去するという事案も起きている。[br][br] 紅葉シーズンの蔦沼の景色は全国的に有名で、路上駐車の問題も発生していた。蔦沼は、蔦野鳥の森の遊歩道沿いにあり、比較的行きやすい場所にある。[br][br] 一方、赤沼は、登山道を入った山中にある。ただ、近年は蔦沼の混雑を避けようと、赤沼に向かう人々も増えているという。[br][br] 蔦沼は今秋、新型コロナウイルスの感染防止対策と展望デッキの適正利用のため、入場制限が行われた。[br][br] 看板を設置した男性によると、入場制限の影響で赤沼を訪れる人が増えると判断し、仙人橋の入り口に2基、途中の分岐に1基、赤沼に1基を設置した。「実際に迷っている人がおり、本来は行政が行うべきだが、要請しても動かないため設置した」と主張する。[br][br] 環境省十和田八幡平国立公園管理事務所は、看板は自然公園法の「広告物の設置」に当たり、無断設置は違法と判断。このため男性は、16日までに全てを撤去した。[br][br] 同事務所は「遭難対策については、関係機関と対策を検討する必要がある」としている。[br][br] 地元の自然保護団体「八甲田・十和田を愛する会」は「今後、赤沼の人気に便乗した無断整備が横行するのではないか」と強い懸念を示す。[br][br] 三八上北森林管理署は「集客を求める路線ならば観光事業であり、青森県や十和田市、環境省が管理するのが望ましい」との認識を示した。赤沼に無断設置された看板。設置者が16日に撤去した=9日、十和田市