スマート農業推進へGNSS基地局/六ケ所村 自治体独自設置は東北初

六ケ所村が整備したGNSS基地局=六ケ所村
六ケ所村が整備したGNSS基地局=六ケ所村
ロボットや情報通信技術を利用して省力化を目指すスマート農業の推進に向け、六ケ所村は18日までに、トラクターの自動操舵システムなどに活用できる農業用の全球測位衛星システム(GNSS)基地局を整備した。従来より精度の高い位置情報を取得できるよう.....
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 ロボットや情報通信技術を利用して省力化を目指すスマート農業の推進に向け、六ケ所村は18日までに、トラクターの自動操舵システムなどに活用できる農業用の全球測位衛星システム(GNSS)基地局を整備した。従来より精度の高い位置情報を取得できるようになるため、農作業の正確性向上などが見込まれる。同基地局を自治体独自で設置するのは東北地方で初めて。[br][br] トラクターの自動操舵システムは、衛星からの位置情報を利用。専用装置を取り付けることで、受信したデータを基に指定した経路などを自動で走行する。[br][br] 新規就農者の技術不足を補うことができるほか、収穫の際に蛇行して作物を傷つけることもない。農作業で負担の大きい運転業務の軽減につながるため、数年前から村内の農家で導入が進んでおり、現在は7、8戸が利用している。[br][br] 1台導入している北栄農場(同村)の中岫和彦代表理事は「ハンドルをほぼ操作しなくても良いのでストレスがない。農業を敬遠する若い人にも興味を持ってもらえるのではないか」と利点を語る。[br][br] ただ、これまでGNSSのデータは、農機具メーカーが整備した六戸町などの基地局から受け取っていた。年間5万~7万円の利用料がかかることに加え、基地局から距離が遠いため、自動走行する際に指定経路とのずれが発生する問題もあったという。[br][br] 村は正確な位置情報を求める農家の要望を受け、基地局の独自整備を決定。約580万円の事業費をかけ、アンテナなどを村の国際教育研修センターに設置した。村全域にインターネット経由でデータを送信でき、ずれもないという。[br][br] 11月末から運用を開始。申請すれば村内の農家は無料で利用できるため、今後、切り替えが進む見通し。[br][br] 自動操舵の専用装置などの購入に関して、最大100万円を補助する事業もスタート。農家の高齢化や担い手不足を克服する切り札としてスマート農業を推進していく考えで、村農林水産課は「村内の多くの人に活用してほしい」と話している。六ケ所村が整備したGNSS基地局=六ケ所村