45年ぶり無投票の公算高まる/三戸町長選

三戸町議会定例会の閉会あいさつで町長選への出馬を表明する松尾和彦氏(中央)。右奥は町議会議長の竹原義人氏=6月、三戸町
三戸町議会定例会の閉会あいさつで町長選への出馬を表明する松尾和彦氏(中央)。右奥は町議会議長の竹原義人氏=6月、三戸町
11月17日告示の三戸町長選は、1975年以来45年ぶりに無投票となる公算が大きくなっている。29日時点で立候補を表明しているのは現職の松尾和彦氏(57)のみで、対抗馬と目された前町長の竹原義人氏(69)は出馬を見送る方針だ。町は昨年、人口.....
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 11月17日告示の三戸町長選は、1975年以来45年ぶりに無投票となる公算が大きくなっている。29日時点で立候補を表明しているのは現職の松尾和彦氏(57)のみで、対抗馬と目された前町長の竹原義人氏(69)は出馬を見送る方針だ。町は昨年、人口が1万人の大台を割り、青森県議選に絡む公選法違反事件で政治への信頼が大きく揺らぐなど課題が山積している。新型コロナウイルスへの対応にも迫られ、政策が重要性を増す中、町民からは「町をどうしていくのか選挙戦でじっくり聞きたかった」という声も漏れる。[br][br] 「一陽来復を願い、まずは対応に万全を尽くす」。松尾氏は6月の町議会定例会で正式に出馬を表明した際、政治の信頼回復や新型コロナ対策を念頭に意気込みを強調した。[br][br] 1期目の総仕上げとなるはずだった今年は春から新型コロナ対応が主となり、松尾氏は「トップセールスなど思うような活動ができなかった」と振り返る。2期目へ向け、「引き続き町産品のブランド化や農家の所得向上に取り組みたい」と再スタートを見据える。[br][br] 町議会は昨年の公選法違反事件で議員が相次いで辞職し、19年7月に欠員10人の補充選挙を実施。さらに20年3月にも任期満了に伴う町議選があり、多くの議員が入れ替わった。[br][br] 激動の中、3月に町議会議長に就いたのが竹原氏。政治経験の浅い議員が増えた中で、“ベテラン議員”として名実ともに町議会の取りまとめ役を担い、4月には自民党三戸町支部の支部長にも就任した。[br][br] しかし、竹原氏は「まずは政治を安定させる必要がある」と出馬しない考えを強調。議会から町の再建に努める方針を示した。[br][br] 約半世紀ぶりに無投票となる可能性が高まり、町民も複雑だ。60代の自営業男性は「選挙は候補が政策を戦わせる場なので、あった方が望ましい」と話す一方、「昨年の違反事件で人材が少なくなり、候補者の擁立は簡単ではないだろう。無投票も致し方ないか…」と複雑な胸中を語った。三戸町議会定例会の閉会あいさつで町長選への出馬を表明する松尾和彦氏(中央)。右奥は町議会議長の竹原義人氏=6月、三戸町