紅葉期の蔦沼、交通渋滞解決へ模索続く/十和田八幡平

紅葉シーズンに多くの来訪者で混雑する蔦沼=2018年10月
紅葉シーズンに多くの来訪者で混雑する蔦沼=2018年10月
紅葉の名所・十和田八幡平国立公園内にある蔦沼の交通渋滞問題を巡り、関係機関が解決策を模索している。十和田湖周辺交通渋滞対策協議会(会長・小山田久十和田市長)は昨年、最も混み合う早朝の時間帯の交通規制を初めて実施。今年は新型コロナウイルス対策.....
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 紅葉の名所・十和田八幡平国立公園内にある蔦沼の交通渋滞問題を巡り、関係機関が解決策を模索している。十和田湖周辺交通渋滞対策協議会(会長・小山田久十和田市長)は昨年、最も混み合う早朝の時間帯の交通規制を初めて実施。今年は新型コロナウイルス対策で来訪者の「密」を避けるため、見頃の今月22~27日までの6日間は早朝に事前予約制を導入する。しかし、発表が9月末と遅かったことから周知不足が懸念されており、期間中は予約制を知らない人が詰め掛け、混乱する可能性もある。[br][br] 市によると、事前予約の応募期間は既に終了。これまで約480件の応募があり、抽選倍率は約2・6倍と高い関心をうかがわせた。[br][br] 蔦沼は近年、国内有数の紅葉スポットとして各種媒体に取り上げられ、有名になった。特に早朝は、朝日を浴びた紅葉が水面に映る絶景が見られるとあって、蔦沼内の展望デッキは大勢の来場者で混雑する。[br][br] 環境省の調査によると、蔦沼の入山者数は10~16年までは1万3千人~2万人だったが、17年に2万7千人、18年は4万人に急増。19年は2万5千人に落ち着いたが、依然高い人気を保っている。調査は7~10月の数値だが、同省十和田八幡平国立公園管理事務所によると、入山者の7、8割が10月に集中しているという。[br][br] 一方、周辺の駐車場は、蔦沼の玄関口にある蔦温泉の約80台分のみ。人気が上がるにつれて駐車場はあふれ、周囲の国道は路上駐車や渋滞が深刻化し、対策が急務となっている。[br][br] 同協議会は昨年、10月中旬の4日間、国道で一般車両を通行止めする実証実験を行い、焼山―蔦温泉間で代替交通のシャトルバスを運行した。ただ、規制の時期が紅葉の見頃には早く、期間の終了後は路上駐車の列ができるなど、対策の再検討が求められていた。[br][br] 今年は新型コロナ対策として来場者の人数を制限する。早朝(午前4時~同7時半)の展望デッキへの入場は、事前申し込みによる抽選の上、1グループにつき4千円を渋滞対策・環境保全協力金として徴収。蔦温泉の駐車場を借り、1日約30台分を確保する。また、昼時間帯(午前7時半~午後3時半)は予約の必要はないが、駐車場の利用には1台千円の協力金を求める。[br][br] 一方、課題も指摘されている。周知期間が短いことから、予約制を知らない来訪者も少なくないとみられる。近くの道路には路上駐車ができないようコーンが置かれる予定で、引き返す車で混雑することも懸念される。[br][br] また、抽選に当たったとしても、紅葉の進み具合でお目当ての景色が見られず、不満の声が上がる可能性もある。[br][br] 環境省十和田八幡平国立公園管理事務所は、新型コロナ対策のほか、展望デッキの適正利用、許容範囲を超えた来場者の解消などを目標に掲げており、森川久所長は「今回出てくるさまざまな課題を、来年以降の対策に反映させる」としている。[br][br]   ◇    ◇[br][br] 協議会は動画投稿サイト「ユーチューブ」に「蔦沼朝焼けライブチャンネル」を開設し、期間中の早朝、紅葉の様子を配信する。紅葉シーズンに多くの来訪者で混雑する蔦沼=2018年10月