天鐘(9月29日)

記念日は語呂合わせが多い。9月29日で調べる。「ク(9)リーニ(2)ング(9)の日」に納得。来(9)る福(29)で「招き猫の日」は難解だ。く(9)っつく(29)の「接着の日」には思わずニヤリ▼部屋を見渡す。テレビ、パソコン、家具、壁や床。大.....
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 記念日は語呂合わせが多い。9月29日で調べる。「ク(9)リーニ(2)ング(9)の日」に納得。来(9)る福(29)で「招き猫の日」は難解だ。く(9)っつく(29)の「接着の日」には思わずニヤリ▼部屋を見渡す。テレビ、パソコン、家具、壁や床。大半のものに接着剤が使われている。家の外では自動車、ビル、ジェット機に至るまで。目に見えないのであまり意識しないが、豊かな暮らしを支える存在である▼結合の原理を組み合わせ、素材に応じて進化する“第三の釘”。種類は数千に及ぶ。記念日を制定したのは10年前。日本接着剤工業会は「産業界の縁の下の力持ち」と胸を張る▼実は日本と中国が“くっついた”のも9月29日である。1972年、田中角栄と周恩来の両首相が共同声明に署名。東西冷戦構造の変化、民間交流の積み上げも後押しとなり、歴史的な国交正常化を果たした▼中国と米国の対立は激化の一途にある。日中関係への影響は不可避だ。今や最大の貿易相手国だが、東シナ海を巡る摩擦も続く。大枠で同盟国と歩調を合わせつつ、どう振る舞うのか。半世紀を経て直面する難題である▼韓国と北朝鮮との関係もしかり。東アジア、そして世界の情勢は「危うい均衡」であろう。国益の確保を前提に、思慮深く各国首脳と渡り合って、国際社会をつなぐ接着剤に。船出した菅外交は早々に正念場を迎える。