「縄文遺跡群」イコモスの現地調査始まる 

三内丸山遺跡を視察するイコモス調査員(右から2番目)。復元された大型住居の前で担当者らと言葉を交わしていた=4日、青森市の三内丸山遺跡
三内丸山遺跡を視察するイコモス調査員(右から2番目)。復元された大型住居の前で担当者らと言葉を交わしていた=4日、青森市の三内丸山遺跡
2021年の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が4日、始まった。同日は三内丸山遺跡(青森市)の調査が報道陣に一部公開された。.....
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2021年の世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が4日、始まった。同日は三内丸山遺跡(青森市)の調査が報道陣に一部公開された。世界遺産登録に向け、遺跡の保存状況などを確認する最終的な機会となり、イコモス調査員のオーストラリア人男性らが15日までの日程で全遺跡を回る。[br] イコモスは現地調査と、推薦書などを基にした書類審査を通し、縄文遺跡群が世界遺産にふさわしいかどうか評価する。現地調査では、▽資産そのものの保存状況▽緩衝地帯(バッファゾーン)を含む遺跡周辺環境の保全状況▽資産を管理する仕組みが機能しているか―の大きく3点が着目されるという。[br] 三内丸山遺跡ではイコモス調査員の視察に、青森県世界文化遺産登録推進室の岡田康博室長ら約10人が同行。午後2時50分ごろから、竪穴建物跡などが復元された区域に入り、墓の跡や掘立柱建物、6本柱の大型掘立柱建物跡などを約40分かけて見て回ったほか、本年度の第44次発掘調査を行っている区域にも足を運んだ。調査員は遺跡の様子を撮影したり、岡田室長と言葉を交わしたりしていた。[br] 縄文遺跡群は、是川石器時代遺跡(八戸市)、二ツ森貝塚(七戸町)など、青森、岩手、秋田、北海道にある17遺跡で構成。遺跡は集落跡や貝塚、石を円形に並べた環状列石と多岐にわたり、約1万年間続いた縄文時代の生活の在り方を切れ目なく示しているのが特徴だ。[br] 4道県は07年に世界遺産登録を文化庁に提案。18年7月に国の文化審議会で国内候補に選ばれた。だが、自然遺産候補を優先する政府の方針で推薦が1年見送られ、昨年7月に改めて国内候補に選定。政府は昨年末にユネスコへの推薦を閣議了解し、推薦書を提出した。推薦書では遺跡群の顕著な普遍的価値について、「北東アジアにおいて、農耕以前の生活の在り方を示している」と位置付けている。[br] イコモスによる評価結果は来年5月ごろ勧告される予定。登録の可否は勧告を踏まえ、来年夏の世界遺産委員会で審査され、正式に決定する。[br] 現地調査の日程は「審査に関わる」として明らかにされていない。調査の様子は、6日に大湯環状列石(秋田県鹿角市)、13日に北黄金貝塚(北海道伊達市)、15日に御所野遺跡(一戸町)で、それぞれ一部が報道陣に公開される。三内丸山遺跡を視察するイコモス調査員(右から2番目)。復元された大型住居の前で担当者らと言葉を交わしていた=4日、青森市の三内丸山遺跡