天鐘(8月12日)

「ウオッカを飲めば消毒できる」など、新型コロナウイルスの脅威を軽んじる発言を繰り返していたベラルーシのルカシェンコ大統領が6選を決めた。世界が危惧する“放置政策”はさらに続くことになりそうだ▼ルカシェンコ氏はソ連崩壊後、5期26年にわたり大.....
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 「ウオッカを飲めば消毒できる」など、新型コロナウイルスの脅威を軽んじる発言を繰り返していたベラルーシのルカシェンコ大統領が6選を決めた。世界が危惧する“放置政策”はさらに続くことになりそうだ▼ルカシェンコ氏はソ連崩壊後、5期26年にわたり大統領に君臨。批判する者は即逮捕の専横ぶりで、西側からは「悪の枢軸」や「欧州最後の独裁者」と呼ばれてきた▼東西を天秤(てんびん)に掛ける外交から、放漫財政で経済危機に陥るとロシアを嫌って中国にすり寄った。選挙戦では反政権の女性候補が期待を集めたが、及ばなかった。「大規模な不正があった」と抗議活動が続いている▼コロナ対策でトランプ米国大統領は「99%は無害」。自ら感染したブラジルのボルソナロ大統領は「軽い風邪だ」と強弁。ルカシェンコ氏も罹ったが、そのままロシアのプーチン大統領と同席する身勝手ぶり▼感染症も怖いが政治のミスリードも怖い。対策を放棄した揚げ句「サウナで治る」と勝手な発言。950万人の小国で600人が死んだ。日本にこんな指導者はいないが経済再生と感染対策のちぐはぐが気になる▼安倍首相は感染の急増に「収束したら特措法改正を検討する」と煮え切らない。「緊急事態宣言が経済に与えた大打撃」で頭がいっぱいの様子で、国民の心配事と乖離(かいり)が生じているようだ。実はコロナはこんな溝が一番の好物らしい―。