【八戸三社大祭】ミニ山車、お囃子披露…山車組が独自イベント計画

イベントで展示する小型山車を制作する吹上山車組のメンバー=7月中旬、八戸市石手洗
イベントで展示する小型山車を制作する吹上山車組のメンバー=7月中旬、八戸市石手洗
新型コロナウイルスの影響で、各神社での祭礼行事のみを執り行い、山車の運行などを見送る今年の八戸三社大祭。山車組の中では、祭り期間中に小型山車の展示やお囃子(はやし)の披露など地元町内で独自イベントを企画する動きが出ている。発祥300年目を襲.....
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 新型コロナウイルスの影響で、各神社での祭礼行事のみを執り行い、山車の運行などを見送る今年の八戸三社大祭。山車組の中では、祭り期間中に小型山車の展示やお囃子(はやし)の披露など地元町内で独自イベントを企画する動きが出ている。発祥300年目を襲った、未知のウイルスの脅威に悩みながらも、今できることを模索する関係者。「地域住民への感謝を示したい」、「歴史を止めない」と強い決意を込める。[br] 三社大祭参加100周年を迎える吹上山車組は、八戸パークホテルで8月1、2の両日に開催されるイベント「パークお祭り広場」で小型山車を展示し、お囃子を奏でる。[br] 小型山車のテーマは「花魁(おいらん)道中」。サイズが幅3・6メートル、奥行き2・7メートル程度で、通常の山車の3分の1ほどになる見通しだ。同市石手洗の山車小屋では今月に入ってから、メンバーが「3密」にならないように注意しながら急ピッチで作業を進める。[br] 同山車組にとって1世紀の歩みの“集大成”となるはずだった、今年の祭り。懸ける思いが強かった分だけ、運行見送りの決定に落胆が広がった。[br] だが、今は新たな目標ができ、気持ちを切り替える。制作総責任者の豊嶋伸一さん(51)は「短期間でも手を抜かずに山車を作る。地域の皆さんに少しでも祭り気分を味わってもらいたい」と準備に没頭する。[br] 淀山車組は同市沼館4丁目の山車小屋「淀の館」で8月1日から、昨年の山車を展示する。山車は例年、祭りを終えると小屋で飾られ、翌年4月に解体して、新たな年の制作をスタートさせてきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で作業に取りかかれず、昨年の山車が保管されていた。[br] 当日は子どもたちによるお囃子を披露する考えで、今月27日に練習初日を控える。山車組責任者の大野素敬さん(52)は「状況を見ながらなので、突然中止になることもあり得る」としながらも、「子どもたちに楽しんでもらってこその祭り。夏の思い出を作ってあげたい」と意欲を示す。[br] 朔日町附祭も8月1日に地元町内にお囃子の音色を届ける。祭りでは最終日の同4日に町内で音頭上げを行うのが恒例だった。責任者の近藤慶央さん(39)は「住民30世帯の小さな町内なので、すべての家を回るつもり。これからも山車を作っていく意気込みを伝えたい」と話す。イベントで展示する小型山車を制作する吹上山車組のメンバー=7月中旬、八戸市石手洗