青森県内や岩手県北地方はこれから本格的な海開きシーズンを迎える。今夏は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、青森県の主要23水浴場のうち、6カ所が開場を見送った。例年通りに開場する海水浴場でも、密集回避の喚起や消毒液設置など、関係者が感染防止対策に神経をとがらせる。コロナ禍の中、管理者は手探りの運営を余儀なくされそうだ。[br] 今夏の開場を取りやめたのは、三沢ビードルビーチ、砂浜海岸(横浜町)、かわうち・まりん・びーち(むつ市)、玉松(蓬田村)、マグアビーチ、出来島(以上つがる市)の6海水浴場。管理する自治体は不特定多数の利用者で混雑するビーチや更衣室、シャワー室で感染予防策がとれないことなどを理由に挙げた。[br] 一方、青森県内で開場するのは17水浴場。岩手県北の舟渡(久慈市)、種市海浜公園(洋野町)の2海水浴場もオープンする。[br] 八戸市白浜、蕪島の両海水浴場は23日から遊泳可に。当初は新型コロナの影響で開設を見合わせる予定だったが、八戸地域の感染が落ち着きつつあり、開場せずに管理者がいない状況で遊泳すると水難リスクが高まることから再検討して方針を転換した。[br] 予防対策として、いずれの海水浴場もシャワー室のロッカーなどを消毒し、定期的に場内放送で人が密集しないように呼び掛ける方針。市観光課の安原清友課長は「こまめな消毒や『3密』を回避する対策を講じて安全な海水浴場の運営を図りたい」と話す。[br] 「過去の状況から、開いても密の状態にならないだろうと判断した」と説明するのは、11日に開場する小川原湖水浴場の指定管理者・三沢市観光協会の担当者。人同士が接触しないよう注意喚起する予定だが、他の海水浴場が閉場された影響で人が集中するなど例年と状況が変わることも想定され、「まずは開場してみて状況を確認しながら対応したい」と強調する。[br] 小川原湖公園、わかさぎ公園の両湖水浴場は1日に開場。東北町商工観光課によると、首都圏などで海水浴場の閉鎖が相次ぎ、県外からの問い合わせが増えている状況も踏まえ、開場を決めた。[br] 18日開場の十符ケ浦海水浴場を管理する野辺地町の担当者は「近隣の開場状況から判断した」という。「どれだけの人が来るか想定できないが、密な状況にならないようにしたい」と話した。