天鐘(6月17日)

車に乗ろうとドアを開けた途端、真っ黒いヤブ蚊が車内に侵入した。忌々(いまいま)しい蚊を両手で叩(たた)き潰(つぶ)そうとするが目の前を飛び回り、捕まらない。仕方なく殺虫スプレーを噴霧した▼同じ事が3日続いた。だが、いつも同じ所から闖(ちん).....
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 車に乗ろうとドアを開けた途端、真っ黒いヤブ蚊が車内に侵入した。忌々(いまいま)しい蚊を両手で叩(たた)き潰(つぶ)そうとするが目の前を飛び回り、捕まらない。仕方なく殺虫スプレーを噴霧した▼同じ事が3日続いた。だが、いつも同じ所から闖(ちん)入して飛び回ってはダッシュボード上に消える。ひょっとして「飛蚊症」ではと思い、調べると症状が見事一致した▼眼科医によると、眼球内を満たしているゼリー状の硝子体が近視の進行や加齢で濁り、その影が網膜に糸屑(くず)状に写るのだと。網膜剝離の前兆など危険な場合もあるが、多くは「小皺(こじわ)や白髪と同じ加齢現象」らしい▼「心配せず慣れること」の診断にホッとしたが、紛(まご)うことなき老化である。医師の言う通り“蚊”は少しずつ中心に移動、今は瞳の中にいる。標準語では表現しにくい違和感がある。一言で表せば「いずい」▼たかがヤブ蚊だが、6年前に代々木公園など東京都内で100余人の感染が確認された「デング熱」を媒介した吸血性のヒトスジシマカもいる。5ミリ弱で黒に白い縞模様があり、一般に「ヤブ蚊」と呼ばれている▼蚊を介してウイルスが人に感染、高熱を発する熱性疾患。近く渡航も緩和され、高温多湿の夏が6年前に酷似しており要注意とか。怖いのは4年前、この媒体蚊が温暖化に伴い北上、青森県内でも確認された。コロナ禍の泣きっ面に“ヤブ蚊”。気の抜けない日々が続く。