財政調整期金の年度末見込み100億円割れ 将来的な税収減も懸念材料/青森県

青森県が10日公表した2020年度一般会計補正予算案は、新型コロナウイルス感染症対策の事業費を捻出するため、財政調整基金から38億739万円を取り崩して編成した。20年度末の基金残高は72億5700万円となる見通しで、100億円を下回るのは.....
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 青森県が10日公表した2020年度一般会計補正予算案は、新型コロナウイルス感染症対策の事業費を捻出するため、財政調整基金から38億739万円を取り崩して編成した。20年度末の基金残高は72億5700万円となる見通しで、100億円を下回るのは13年度末以来。今後、景気悪化に伴い税収の減少も予想され、県財政課は「財政運営は予断を許さない状況」と危惧する。[br] 財源の不足分に充てる財政調整基金は、県債の償還に対応する「県債管理基金」と合わせ、実質的な貯金に当たる「財政調整用基金」と呼ばれる。 三村申吾知事は03年の就任以降、基金の取り崩し額の圧縮や県債発行総額の抑制など、財政健全化に取り組んできた。20年度当初予算の編成時点では、4年連続の取り崩し額をゼロとし、年度末の財政調整基金の残高は就任後で最も多い163億円となる見通しだった。[br] だが、新型コロナの感染拡大により、県は感染防止や経済対策を相次いで実施。7回にわたり補正予算を編成し、基金はこれまで約90億円を取り崩した。[br] 今後、国の地方創生臨時交付金により、基金の復元が見込まれるが、20年度は歳入の2割を占める税収減が確定的。21年度以降も税収の回復は不透明で、県財政が制約を受ける可能性がある。[br] 財政調整基金の現状について、県財政課の豊島信幸課長は「財政の弾力性を保ち、突発的な事態に機動的な対応をするため、一定額は必要」との認識を改めて示した。