天鐘(5月31日)

こちらでは大きな話題にならなかったが、今月、車のナンバープレートに「弘前」が加わった。おなじみ、ご当地ナンバーの一つで、早速、地元では観光の起爆剤にと期待が高まっている▼“ご当地制度”が定着し、全国のナンバーも随分とバラエティーに富むように.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 こちらでは大きな話題にならなかったが、今月、車のナンバープレートに「弘前」が加わった。おなじみ、ご当地ナンバーの一つで、早速、地元では観光の起爆剤にと期待が高まっている▼“ご当地制度”が定着し、全国のナンバーも随分とバラエティーに富むようになった。富士山、知床、平泉、伊勢志摩…。改めて眺めれば自然や歴史、人情までが薫るようで、それぞれに味わいがある▼ハンドルを握っていて、なじみのないナンバーに出会うとちょっとうれしい。観光だろうか、それとも仕事か…。考えてみれば、どの車も前と後ろに一枚ずつ「ふるさと」を掲げながら走っている▼長距離ドライブも楽しいこの春はしかし、全国各地で他県ナンバーが災難に遭った。ウイルスを運んできたとみなされ、あおり運転をされたり、傷つけられたり。そういえば「八戸ナンバーお断り」のラーメン店もあった▼「地名は違っても地元です」のステッカーは苦肉の策。「震災では全国の方にお世話になった。他県の人にも親切に」と、岩手県の知事は呼びかけた。憎い感染症に心までやられてしまっては悲しい▼明日から県境をまたぐ移動が緩和される。“ご当地”に加えて、さまざまな「ふるさと」の行き来が増えてくるだろう。仲間入りした「弘前」も含めて、列島を走るナンバーはこれで134種類。初夏の道。笑顔ですれ違いたいものである。