ハクビシン食害深刻 イチゴ農家悲鳴/八戸

八戸市市川地区で、イチゴ農家がハクビシン被害に頭を悩ませている。ビニールハウスに穴を空けて集団で侵入し、熟した実を食い散らかすため、作物だけでなく農業施設の被害も深刻だ。被害額は数百万円に上るとみられ、市は猟友会に箱わなの設置を依頼するなど.....
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 八戸市市川地区で、イチゴ農家がハクビシン被害に頭を悩ませている。ビニールハウスに穴を空けて集団で侵入し、熟した実を食い散らかすため、作物だけでなく農業施設の被害も深刻だ。被害額は数百万円に上るとみられ、市は猟友会に箱わなの設置を依頼するなど対策に乗り出している。[br] 「昨晩も3カ所やられた。何回補修しても破られるから頭にきちゃうよ」。26日午前、同市市川町の風穴求さん(61)はハウスに空けられた穴を指し示しながらまくし立てた。近くには、イチゴが食い散らかされていた。[br] 被害が出始めたのは5月上旬。夜中に2時間おきに見張りをしたり、電気を付けっぱなしにしたりしても効果がなく、ハウス6棟のうち「さちのか」を作付けする4棟が集中して被害に遭っている。[br] 市の許可を得てわなを設置すると、一度はハクビシンの子どもが1匹掛かったが、その後はわなからエサだけ持って行かれるようになった。必死な風穴さんをあざ笑うかのような“敵”に、「ずる賢いったらありゃしない。こんなことは初めてで、本当に参った」とあきれる。[br] 被害相談を受け、市農業経営振興センターが調査したところ、今月20日現在で風穴さんが所属する八戸農協いちご部会や、八戸苺生産組合の計16人、270アールでハクビシンによる被害を確認した。[br] 同センターのハウスも被害に遭っており、これまでに5匹を捕獲。担当者は「ハクビシン被害は以前はほとんど聞かなかったが、ここ数年で増えている。個体数が増加していると考えられる」と話す。[br] 市は、猟友会八戸支部のメンバーらで構成される市鳥獣被害対策実施隊に箱わな設置を依頼しており、準備ができ次第、捕獲に乗り出す方針だ。