青森県は25日、八戸市立市民病院と県立中央病院(青森市)を拠点に2機体制で運航するドクターヘリの2019年度実績をまとめた。出動件数は793件で、前年度を11件上回った。14年度以降、おおむね横ばいで推移していて、県医療薬務課は「今後も同様に推移していくものと見込んでいる」としている。[br] 県全体の出動要請件数は過去2番目に多い1014件(前年度比15件増)で、このうち221件が天候不良などで出動できなかった。出動の内訳は八戸ヘリ427件(14件減)、県病ヘリ366件(25件増)。[br] 二次医療圏域別では、上十三が233件(34件減)で最多。八戸191件(12件減)を含めた県南2圏域への出動が全体の約5割を占めた。下北は82件(16件増)。[br] 県南地方への出動が全体の半数を占める傾向は14年度以降続いており、同課は要因として▽県南地方には救命救急センターが八戸市の1カ所だけ▽地理的に広域で、救急車よりも空路の方が早い―などを挙げる。[br] 一方のヘリが対応中に新たな要請があるなど、かつての1機体制では対応できなかったケースは119件(8件増)。12年10月から始まった2機体制の効果について、県は「十分に効果が発揮できている」と評価した。[br] 14年10月から本格的に始動した青森、岩手、秋田3県による広域連携の実績は26件(2件増)だった。[br] 青森県から岩手県へ出動したケースは県北エリアを中心に25件、秋田県へは1件。岩手県から青森県への出動はなく、秋田県へは12件。秋田県から青森県への出動はなく、岩手県への出動は1件のみだった。