天鐘(5月6日)

ナンはパンの一種。発酵させた生地を薄く伸ばし、窯の内側にはり付けて焼く。外はカリッ、中はモチモチ。スパイスが効いたインドカレーと一緒に食べると抜群にうまい。本場の味だと思っていたのだが…▼発祥はペルシャ。現在のイランから伝わり、北インドの宮.....
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 ナンはパンの一種。発酵させた生地を薄く伸ばし、窯の内側にはり付けて焼く。外はカリッ、中はモチモチ。スパイスが効いたインドカレーと一緒に食べると抜群にうまい。本場の味だと思っていたのだが…▼発祥はペルシャ。現在のイランから伝わり、北インドの宮廷料理として発展した。しかし庶民にとっては高級品で、店で食べるのが一般的。主食とする本家をしのぎ、世界的にインド名物と認知される不思議な食べ物である▼ユネスコ無形文化遺産の「和食」。代表格といえば寿司や天ぷらだが、これらも起源をたどれば海外に行き着く。ラーメンも今や日本の代名詞。この国の食文化は独自の進化を遂げ、継承されてきた▼同様の風習も多い。中国は古来、疫病がまん延する5月を「毒月」とした。災厄除けの行事が、端午の節句として日本に伝来。邪気をはらう軒菖蒲(しょうぶ)や菖蒲湯は今も残る。尚武の言葉にかけて男児の節句に変遷する▼鯉のぼりは日本固有だが、中国の故事にちなむ。激流が連なる黄河の難所を登りきった鯉が、竜になって天を舞ったという「登竜門伝説」。健やかな成長を望む、こどもの日の象徴となった▼のぼりの矢車は破魔矢で、五色の吹き流しは魔除けだという。立春の頃に深刻度が増し、立夏を迎えてもなお、猛威を振るう感染症である。気持ち良さそうに仲良く並んで空を泳ぐ鯉に、もう一つ願いを込めてみた。