【新型コロナ】介護的看護、防御難しく/十和田市立中央病院、新たなに看護師3人感染

新たに看護師3人の新型コロナウイルス感染が確認され、院内感染の可能性が強まった十和田市立中央病院。3人はクラスター(感染者集団)が発生した市内にある認知症グループホームの感染者が入院する感染症病棟で勤務し、細心の注意を払っていたにもかかわら.....
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 新たに看護師3人の新型コロナウイルス感染が確認され、院内感染の可能性が強まった十和田市立中央病院。3人はクラスター(感染者集団)が発生した市内にある認知症グループホームの感染者が入院する感染症病棟で勤務し、細心の注意を払っていたにもかかわらず、自らも罹患(りかん)してしまった。感染のリスクが高い介護的な看護が求められると同時に、院内感染だけは回避しなければならない医療現場。改めて感染対策の難しさが浮き彫りとなった。[br] 「感染対策は万全だったが、接触度合いが高い介護的な看護を行っており感染防御は難しい」[br] 28日、県庁で開かれた会見で、県健康福祉部の有賀玲子部長は危機感をあらわにした。[br] 県によると、感染した3人は通常の看護のほかに、食事や排せつの世話など体に触れる機会が多い介護的な仕事も担っていた。 会見に同席した県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「どうして感染したのかしっかりと知りたい。この経路を解明することが、今後、感染症病棟で働く人の対策にもつながるはずだ」と力を込めた。[br] 同病院では院内感染対策を徹底。医療用マスクやガウンなど資機材は、現時点で必要な枚数を確保し、十分に対策をした上で患者と接していた。[br] 中谷慎志事務局長は「感染症病棟の担当医は神経質なほど感染から身を守る対策をしていた」と強調。家族からの感染を憂慮し、自宅に帰らず車に寝泊まりする医師もいるという。[br] 院内感染の拡大により、“医療崩壊”という最悪のシナリオも危惧される。同病院は27日から一般外来や救急患者の受け入れを制限した。中谷事務局長は「上十三圏域の他の医療機関では感染症に対応できない。感染症病棟を維持していきたい」との決意をにじませた。[br] 院内で感染が広がっている現状に、現場で勤務する看護師への動揺が広がっている。青森県看護協会の柾谷京子会長は取材に対し、「恐れていたことが起こった。現場職員のショックは大きいはず」と精神面での影響を懸念。風評被害も心配されることから、柾谷会長は「感染者を看護する職員は感染する、させる恐怖と闘っている。感染した人の責任ではないので、自分を責めないでほしい」と訴えた。