青森県は28日、十和田市立中央病院に勤務する40代女性看護師3人=上十三保健所管内在住=について、新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。感染経路は調査中だが、3人はクラスター(感染者集団)が発生した市内にある認知症グループホームの複数患者が入院している感染症病棟で勤務し、27日に感染が判明した40代女性看護師の濃厚接触者だった。県庁で会見した県健康福祉部の有賀玲子部長は「院内感染の可能性が高い」との認識を示した。県内の感染者は計26人となった。[br] 県は28日、先に感染が判明した看護師の濃厚接触者について、夫や同僚計30人のPCR検査を実施。陽性が判明した3人以外は陰性が確認された。[br] 濃厚接触者のうち、残る同僚20人については29日に同検査を実施。新たな感染者3人の家族らは必要に応じて検査する方針だ。[br] 3人は11、12日から感染症病棟で、先に感染が判明した看護師と同様、グループホームの感染患者計9人の看護を担当していた。28日現在、3人は同病院に入院中。当初はせきなどの症状があったが、2人は症状がみられない。残る1人は微熱などの症状が続いているが軽症という。[br] 3人のうち1人は11日、先に感染が判明した看護師と院内の休憩室で一緒に昼食したことが分かっているが、現時点でどのような経緯で感染が拡大したかは不明。3人とも海外渡航歴や感染流行地への移動は無かった。[br] 感染経路について、県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「感染の連鎖という意味ではグループホームからの連鎖が考えられ、クラスターが飛び火したとも思われる」との見方を示した。ただ、患者数や感染拡大の状況を踏まえ、「現在のところ、クラスターの要件は満たしていない」と述べた。