入居者と施設職員の計9人の新型コロナウイルス感染が判明した十和田市の認知症グループホームの施設長が11日夜、本紙などが加盟する十和田市政記者会の取材に応じた。施設長は「十和田をめちゃくちゃにするんじゃないかというくらい、(市民の)皆さんが怒っていると思う。感染者を出し、申し訳ない」と陳謝した。[br] 全国的に高齢者施設での集団感染の危険性が指摘され、施設としても「細心の注意は払っていた」という。[br] 一方、利用者と互いに口元を見ながらコミュニケーションをとるため、職員がマスクを外すこともあったといい、「(感染予防を)徹底していなかった部分もある」と説明。[br] 施設の性質上、利用者がホールに集まって過ごすこともあったといい、「そういうことが感染させる一つの要因になった。注意は払っていたが、足りなかったという思いはある」と反省を述べた。[br] 9日に1人目の感染者が出た際、複数の職員が3月に関東地方を訪れていたと青森県が発表したが、該当する職員は全員陰性。施設長によると、子どもの引っ越しの手伝いや親族の結婚式出席のためだったという。[br] 現在は感染が確認された職員以外にも、子育て中や年齢が高い職員を休ませており、通常16人態勢のところ、約10人で運営している。「職員も頑張ってくれており、これを乗り越えていくしかない。また地域に根差して営業していけるかは、私たちの働きに懸かっている」と強調した。[br] 施設の安全性確保については「消毒作業を鋭意行っているほか、入居者が(ウイルスに)かからないよう、ホールに出てくる人数も1人ずつにしている」と力を尽くす考えを示した。[br] ただ、約30人が利用している隣接するデイサービスは、2週間程度休業する方針。[br] 施設に寄せられているクレームや苦情に関しては、「地域を巻き込んでしまい、お怒りになる気持ちは分かる」とし、「感染者が早く直って、帰ってきてほしい」と願った。