【新型コロナ】“コロナ疎開”懸念高まる

新型コロナウイルスの感染拡大防止へ向けた八戸市対策本部でも、“コロナ疎開”への警戒を強めている=8日、八戸市
新型コロナウイルスの感染拡大防止へ向けた八戸市対策本部でも、“コロナ疎開”への警戒を強めている=8日、八戸市
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、東京や神奈川、大阪など7都府県の対象地域から、学生を中心にそれぞれの出身地へ移動する“コロナ疎開”と呼ばれる現象への懸念が高まっている。八戸市内でも3月末に、東京都から帰省した女性の感染.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、東京や神奈川、大阪など7都府県の対象地域から、学生を中心にそれぞれの出身地へ移動する“コロナ疎開”と呼ばれる現象への懸念が高まっている。八戸市内でも3月末に、東京都から帰省した女性の感染を確認した例もあり、青森県や市などは、移動者に対して2週間程度の外出自粛や体温の測定などを呼び掛ける。ただ、対象地域で暮らす子を持つ親にとっては「帰らせたいけど、もし感染していたら…」「簡単に帰って来てとは言えない」など複雑な思いが交錯する。[br] 全国各地では宣言以前にも、首都圏からの帰省者がそれぞれの地元で感染を確認されるケースが相次いで発生。宣言翌日の8日に八戸市庁で開いた市対策本部の席上、小林眞市長は「やみくもに拒否することもできない」と前置きした上で、「自宅待機や健康観察を促し、できる範囲で努めて対策をしていきたい」と警戒を強めている。[br] 都内で子ども2人が暮らす同市の母親(55)も気が気でない。「娘は大学が連休明けまで休みなので安心だが、毎日電車に乗って仕事へ出ている息子がとにかく心配」と漏らす。「親としては戻ってきてほしいけど、仮に感染していて、そこからさらに広まってしまうかもと思うと…」と苦しい心境を明かす。[br] ほかの男性(49)は娘が都内で働いているが、「今は心を鬼にして絶対に帰ってくるなと言っている。幸い近くに親戚もいるので、何とかこの難局を乗り切ってほしい」と話した。[br] 一方、市内の飲食店では、来店客が首都圏から来たのではないかと疑心暗鬼になるケースもあるという。客の減少が深刻な飲食業界にとって本来、来客はうれしいことだが、感染への懸念も広がる。[br] 中心部で飲食店を営む男性(38)は「それらしき人が来てはいた。来店へのうれしさもあるが、自分の店で感染が拡大することだけは避けないといけない。休業も視野に考えていかないと」と今後を見据える。[br] ほかの男性(48)は常連客のみの来店にしているとし、「新規の来客はうれしいが、『この人大丈夫かな』とどこかで疑っている自分もいた。早く終息して、本来の日常を取り戻したい」と語った。新型コロナウイルスの感染拡大防止へ向けた八戸市対策本部でも、“コロナ疎開”への警戒を強めている=8日、八戸市