【八戸市栽培研究リポート】(6)・完 ディスバッドマム

花の形が品種ごとに多様なディスバッドマム(八戸市農業経営振興センター提供)
花の形が品種ごとに多様なディスバッドマム(八戸市農業経営振興センター提供)
多くの花が咲くスプレー菊のうち、あえて他の芽をつみ、大きく豪華な一輪に育てたものを「ディスバッドマム」という。現在主流の輪菊に比べ、花の色や形が多様で、より幅広い需要が期待される。 八戸市農業経営振興センターは2019年度、11月出荷を想定.....
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 多くの花が咲くスプレー菊のうち、あえて他の芽をつみ、大きく豪華な一輪に育てたものを「ディスバッドマム」という。現在主流の輪菊に比べ、花の色や形が多様で、より幅広い需要が期待される。[br] 八戸市農業経営振興センターは2019年度、11月出荷を想定し、18品種を比較した。[br] また、この時期は年末需要の高値取引が見込める半面、開花促進や低温障害防止のため、ハウス内を暖房で温めるのが一般的。もし加温しなくても十分に成長するならば、大幅な経費削減になることから、無加温での栽培が可能なのか、各品種の低温耐性も調べた。[br] 9月の定植後、全品種で病害虫の発生は見られず、生育は順調に推移。一方、夜の気温が低かったこともあり、開花が遅れ、採花時期は11月下旬以降となった影響からか、一部の品種では、低温障害とみられる花弁の変色や葉枯れ、開花ぞろいの悪さを確認した。[br] 主な評価ポイントは、花から、最も近い葉までの距離を指す「花首長」。一輪咲きが引き立つため、短い方が好まれる。今回は5品種が最も短い1センチ台。花のずっしりとした高級感の基準となる「切花重」で最も重かったのは、「ビーハイブ」の94・4グラムだった。[br] 調査を担当した佐々木達也技師は「今回は各品種に低温耐性があり、無加温でも採花できることが分かった。お盆前の8月、年末前の11月と年2回の出荷が、無加温でできると考えられる」と成果を強調。採花が遅れるにつれ、未開花や品質低下のリスクがあるため、品種を選ぶ際には注意するよう指摘した。[br] 今後は、8月出荷時を想定した耐暑性について調査を進める予定。花の形が品種ごとに多様なディスバッドマム(八戸市農業経営振興センター提供)