南部町で試験成果・情報発表会 県りんご研究所

リンゴの果実肥大の調査を発表する小林達研究員=26日、南部町立町民ホール
リンゴの果実肥大の調査を発表する小林達研究員=26日、南部町立町民ホール
青森県産業技術センターりんご研究所(黒石市)は26日、南部町立町民ホールで試験成果・情報発表会を開いた。同所栽培部の小林達研究員はリンゴの果実肥大の最新研究を発表し、県りんご協会による花芽率の調査も踏まえ「2020年産は質の良い花が少ない可.....
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 青森県産業技術センターりんご研究所(黒石市)は26日、南部町立町民ホールで試験成果・情報発表会を開いた。同所栽培部の小林達研究員はリンゴの果実肥大の最新研究を発表し、県りんご協会による花芽率の調査も踏まえ「2020年産は質の良い花が少ない可能性があり、確実な授粉作業が肝要」と呼び掛けた。[br] 発表によると、果実の大きさは細胞の数と大きさに左右され、特に数は開花後約1カ月間の細胞分裂で決まる。13~18年の6年間、普通栽培の「ふじ」の果実を調べた結果、満開後11~20日(平均気温14~20度)では気温が高いほど細胞分裂の期間が短く、細胞の数も少ないことが分かった。[br] 小林研究員は「果実の肥大の素質は早期に決定される。しかし、そこを把握していれば仮に素質が悪くても摘果などでフォローできると思う」と指摘した。[br] 県りんご協会の調査によると、20年産ふじは花芽率が県南57・4%、津軽50・8%、弱小芽の割合も県南35・8%、津軽25・8%と、いずれも平年より厳しい状況だ。小林研究員は「20年産は授粉作業が肝。梵天などを使った効果の高い方法で授粉作業を行ってほしい」と語った。[br] シャインマスカットの省力果房管理技術では菊池一郎研究管理員が、摘粒を予備と仕上げの2回にすることで、粒の重さと糖度が高まったと報告。また、花穂整形や摘蕾作業に専用の器具を導入することが、省力化につながるとした。[br] 同所県南果樹部(五戸町)の上原子毅研究員はウメ変葉病の防除法について、「今のところ登録のある薬剤はない。菌がウメからウメに伝染することはなく、発病部位や中間宿主のヤマカシュウを除去してほしい」と説明した。[br] 発表会は毎年、県南と津軽の2カ所で開催しており、40回目。県南会場には地元の果樹農家ら約130人が参加し、栽培や防除について研さんを積んだ。リンゴの果実肥大の調査を発表する小林達研究員=26日、南部町立町民ホール