▽2回戦
八 戸 030 002 261―14
寝屋川 100 002 000― 3
(近畿)
(八)中島―田中
(寝)蔵本、甲田、蔵本―平川
▽三塁打 加福、福島▽二塁打 石田2、吉田、小池
八高は甲子園球場で初めて勝利の喜びに浸った。全国センバツ高校野球第五日目は五日曇天の甲子園球場で午前十時一分から寝屋川(近畿)―八戸高(東北)の試合で開始。八戸高、岐阜商、中京商がそれぞれ勝ってきょうの準々決勝に進んだ。第一試合の寝屋川高―八戸高は八戸の打線大いに振るい今大会最多得点の十四点をあげて快勝した。
■加福逆転の一打
昨秋の大阪大会で怪腕を振るった寝屋川の蔵本投手はこの日は全く精細なく八高に十五本の長短打を浴び大量十四点を献上した。
一回蔵本のヒットで1点を先取された八高は二回二死一、二塁から加福が左越三塁打して逆転。さらに続く石田も右中間を破ってリードした。その後五回までは両軍投手が好投して打棒は鳴りをひそめたが、六回表ようやく蔵本の球になれた八高は田中がセンター前に快打。中島の四球でチャンスを迎え、石沢の二ゴロは併殺をあせった遊撃手が一塁へ悪投して田中生還、壬生のヒットで石沢も還って勝利をほぼ確定づけた。その裏寝屋川も奮起して二点を返したが、八高は七回に二点、八回には打棒大いに爆発し福島の満塁三塁打をふくむ五安打と三個の四球で六点を加え、とどめを刺した。
八高の勝因は下位打線が予想外に活躍したことでなかでも八番加福の先制の一打、九番石田の四打数三安打(二塁打二本)は光っていた。寝屋川は蔵本の右腕にすべてをかけたが三千の応援団の声援にもかかわらず蔵本がメッタ打ちされ大敗した。八高中島の与えたヒット六本、四球五個、奪った三振三個だった。なお八高は全員安打、守ってはノーエラーの記録をたてた。
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1956年センバツ・2回戦 八戸 VS 寝屋川 [/right]