セブン買収に「違法」主張/米FTC一部委員、子会社は反発

 スピードウェイのガソリンスタンド併設型のコンビニ(右奥)=2020年2月、ニューヨーク(共同)
 スピードウェイのガソリンスタンド併設型のコンビニ(右奥)=2020年2月、ニューヨーク(共同)
セブン&アイ・ホールディングスは15日、米コンビニ運営会社スピードウェイの買収手続きが完了したと発表した。買収価格は210億ドル(約2兆3千億円)。審査していた米連邦取引委員会(FTC)のスローター委員長代理ら2人は米国時間14日、「競争上.....
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 セブン&アイ・ホールディングスは15日、米コンビニ運営会社スピードウェイの買収手続きが完了したと発表した。買収価格は210億ドル(約2兆3千億円)。審査していた米連邦取引委員会(FTC)のスローター委員長代理ら2人は米国時間14日、「競争上の懸念があり、買収は違法だと考える」との声明を発表。「調査を続ける」意向も示した。買収に影響を与える可能性もある。[br][br] セブン&アイ子会社の米セブン―イレブンは、買収完了は「合法的」で、スローター氏らの主張は「誤りだ」と反発する声明を発表した。声明によるとセブンは競争上の問題を解決するために293店舗を他社に売却し、14日に買収を完了することでFTC事務局と合意した。委員の承認を待つ中でスローター氏らが突然、検討期間の延長を申し出たと批判し、申し出に法的根拠がないとして買収に踏み切ったと説明した。[br][br] 一方、フィリップス委員ら残る2人は別の声明で違法性に触れつつも、内部の意見対立によってFTCとしての一致した見解を出せなかったことを示唆した。通常5人のFTC委員は現在4人しかいない。組織としての意思決定には過半数の賛成が必要になる。[br][br] スローター氏らは、買収で約3900店が加わるセブン&アイが、独占禁止法(反トラスト法)上の懸念を解消せずに買収を完了したことについて「非常に困惑している」とした上で、セブン&アイが「自らの責任で取引を完了した」と指摘した。フィリップス氏らは「委員会は行動できなかった」と述べた。[br][br] セブンは昨年8月に米石油精製大手マラソン・ペトロリアム傘下で業界3位のスピードウェイの買収を発表した。[br][br] セブン&アイは日本時間19日、井阪隆一社長が出席してオンラインの記者会見を開催し、買収後の戦略の詳細などを説明する方針。 スピードウェイのガソリンスタンド併設型のコンビニ(右奥)=2020年2月、ニューヨーク(共同)