尻から酸素、呼吸不全改善 コロナ治療に応用も

 ドジョウの腸呼吸をまねた呼吸不全の治療法
 ドジョウの腸呼吸をまねた呼吸不全の治療法
腸でも呼吸できるドジョウをヒントに、酸素が少ない環境でブタやマウスにお尻から酸素を送り込んだところ、呼吸不全の症状が改善する傾向が見られたとの研究結果を東京医科歯科大の武部貴則教授らのチームが、14日付の米科学誌に発表した。新型コロナウイル.....
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 腸でも呼吸できるドジョウをヒントに、酸素が少ない環境でブタやマウスにお尻から酸素を送り込んだところ、呼吸不全の症状が改善する傾向が見られたとの研究結果を東京医科歯科大の武部貴則教授らのチームが、14日付の米科学誌に発表した。新型コロナウイルス感染症治療などで行われる人工呼吸管理を補う新しい選択肢として、実用化を目指す。[br][br] 換気などを意味する英単語の頭文字を取ってエヴァ法と名付けた。液体を使った呼吸が登場する人気アニメ「エヴァンゲリオン」にも影響を受けたという。[br][br] ドジョウはえらのほかに腸でも呼吸できるため、泥の中など酸素の少ない環境でも生きられる。チームは哺乳類にも同じ機能があるのではないかと研究を開始。人工的に低酸素状態にするとマウスの動きは鈍くなったが、酸素を溶け込ませた特殊な液体をお尻から入れると活動的になった。ブタでも血中の酸素の量が増えるといったデータが得られた。[br][br] 武部教授はこの酸素を含む液体をかん腸投与する方法で人への応用を考えている。既存の人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)だけでは足りない場面で使えるのではないかと考えている。1、2年後には安全性や有効性を確かめる臨床試験(治験)を開始し、医療機器として承認申請する方針。 ドジョウの腸呼吸をまねた呼吸不全の治療法