青森県内の6児童相談所が2020年度に対応した児童虐待件数は1749件(前年度比129件増)で、1990年度の統計開始以降、過去最多となったことが11日、県のまとめで分かった。相談件数の増加について、県こどもみらい課は「関係機関が早期に対応してきた結果」としている。[br][br] 虐待件数は、各児相が相談や通報を受けて調査を行い、虐待と判断して助言指導、施設入所などの措置をした集計。[br][br] 児相別では、八戸が最も多い580件(88件増)で、中央(青森市)501件(18件減)、弘前275件(23件増)、七戸201件(45件増)、五所川原100件(13件減)、むつ92件(4件増)だった。[br][br] 虐待の種別は、ドメスティック・バイオレンス(DV)の目撃などの「心理的虐待」が975件(83件増)と全体の半数以上を占めた。「身体的虐待」は447件(39件増)、保護を怠ったり拒否したりする「ネグレクト」は311件(7件減)、「性的虐待」は16件(14件増)。[br][br] 虐待者は実母が864件と最多で、実父が768件。相談を受けた経路は警察や学校が従来と同じく多かった。また、家族が79件増えて205件だった一方、親戚や知人などの周囲が44件減って221件となった。[br][br] 同課は「新型コロナウイルスの影響で家庭にいる時間が増えて虐待につながっているのかもしれない」と推測。「子どもの生活環境が大きく変わっていることは間違いないので、引き続き市町村などと連携を図り対応していく」とした。