5年間繁殖挑んだけど…実はメス同士 札幌・動物園の鳥

 円山動物園で飼育されているオニオオハシ2羽=4月20日、札幌市
 円山動物園で飼育されているオニオオハシ2羽=4月20日、札幌市
円山動物園(札幌市)は南米原産でオレンジ色の大きなくちばしなどから「アマゾンの宝石」と呼ばれるオニオオハシ2羽による繁殖を5年間挑んできたが、ことし3月にメス同士だったことが判明した。鳥類の一部は雌雄の判別が難しいとされる。飼育員の今井菜摘.....
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 円山動物園(札幌市)は南米原産でオレンジ色の大きなくちばしなどから「アマゾンの宝石」と呼ばれるオニオオハシ2羽による繁殖を5年間挑んできたが、ことし3月にメス同士だったことが判明した。鳥類の一部は雌雄の判別が難しいとされる。飼育員の今井菜摘さん(26)は「ひなの誕生を楽しみにしていたのにがっかり」と話した。[br][br] 園は2013年にオニオオハシの「トト」と「ポコ」を業者から雌雄のペアとして購入。この種は主に個体の大きさで雌雄を見分けており、オスと思われたトトはポコに比べ翼や体が大きかったため性別を疑わなかったという。[br][br] 2羽はほかの熱帯などにすむ鳥とともに大型屋内施設で飼育。産卵できる年齢を迎えた16年ごろから、卵を育てられるよう巣箱を設けたり、人工雨で繁殖期の雨の頻度を再現したりと産卵に適した環境づくりに取り組んできた。トトがポコに餌を食べさせたり、追いかけたりする求愛行動も見せていた。[br][br] オニオオハシはニワトリと同様に交尾しなくても産卵する。18年には通常2~4個のはずが6個の卵を産卵したが、検査した卵は全て無精卵だった。またカメラで巣箱の内部を撮影したところ、トトが産卵したように見える映像が記録され、現場では疑念が深まっていた。20年に北海道大獣医学部にDNA鑑定を依頼し、いずれもメスであることが分かった。[br][br] オニオオハシは日本動物園水族館協会が定める保全が必要な種のリストに登録されている。今井さんは「2羽とも卵を産める健康なメス。今後はどちらかを他の動物園のオスと交換するなどして繁殖に取り組みたい」と話している。 円山動物園で飼育されているオニオオハシ2羽=4月20日、札幌市