大津・園児死傷事故から2年 再発防止へ安全対策進む

 事故のあった現場で手を合わせる子ども連れ=8日午前、大津市
 事故のあった現場で手を合わせる子ども連れ=8日午前、大津市
大津市の県道交差点で車2台が衝突し、1台が弾みで散歩中の保育園児らの列に突っ込み16人が死傷した事故から8日で2年となった。滋賀県や市は保育施設に近い道路などの安全対策工事を3月までに完了。県警は希望する保育施設に園児の安全な散歩を指導する.....
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 大津市の県道交差点で車2台が衝突し、1台が弾みで散歩中の保育園児らの列に突っ込み16人が死傷した事故から8日で2年となった。滋賀県や市は保育施設に近い道路などの安全対策工事を3月までに完了。県警は希望する保育施設に園児の安全な散歩を指導するなど、ハードとソフト両面で再発防止に向けた取り組みが進む。[br][br] 8日午前、花やお菓子が供えられた事故現場では、手を合わせる子ども連れの姿も。散歩で近くをよく通るという大津市の主婦(44)は「依然としてスピードを出す車が多い。ドライバーは事故を自分のこととして考えてほしい」と話した。[br][br] 市は事故を受け、2019年度に安全対策費約9億円を盛り込んだ補正予算を組んだ。県警などと保育施設の散歩コースや小学校の通学路の一斉点検を実施。市内162の保育施設の周辺計498カ所に路面を色付けしてドライバーに注意喚起する「キッズゾーン」を設けたほか、市道814カ所で路側帯をカラー塗装したり防護柵を付けたりするなどした。[br][br] また事故の被害者家族らの要望を受け19年11月、当時の越直美市長が条例制定の意向を表明。市は昨年1月、散歩コースの定期点検に基づく対策推進などを盛り込んだ骨子案をまとめた。[br][br] だがその後は新型コロナウイルス対応を優先し、関係機関との会議が開催できず、目標としていた昨年度中の制定は見送られた。市の担当者は「市民全体に交通安全を意識してもらえるような条例にしたい」と話し、改めて本年度中の制定を目指す。[br][br] 大津署は7日、同市の一里山ひかり保育園で、保育士や園児らに横断歩道の渡り方や交差点の待ち方など安全な散歩を指導した。事前に散歩コース付近で過去3年間に発生した交通事故の場所を表示した地図を配布し、同園はそれを参考に散歩コースを見直した。署は7日までに5施設で指導し、来年3月末までに管内60施設での実施を目標にしている。 事故のあった現場で手を合わせる子ども連れ=8日午前、大津市