ホッキガイ水揚げ、三沢で過去最低 コロナ禍で需要低迷続く

三沢・八戸両市魚市場のホッキガイ漁獲の推移
三沢・八戸両市魚市場のホッキガイ漁獲の推移
三沢市魚市場で2020年度漁期(20年12月~21年3月)に取引されたホッキガイの金額は、三沢市漁協が統計を持つ1996年以降で初めて7千万円台を割り、過去最低に沈んだことが6日までに、同漁協への取材で分かった。八戸市魚市場でも価格は低迷。.....
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 三沢市魚市場で2020年度漁期(20年12月~21年3月)に取引されたホッキガイの金額は、三沢市漁協が統計を持つ1996年以降で初めて7千万円台を割り、過去最低に沈んだことが6日までに、同漁協への取材で分かった。八戸市魚市場でも価格は低迷。主な要因とされるコロナ禍に伴う需要減が長期化し、漁業者の苦悩は深まっている。[br][br] 青森県太平洋沿岸のホッキガイ漁は毎年12月1日にスタートし、三沢~市川の北浜海域が翌年3月まで、市川以南の南浜は同4月末まで行われる。資源管理のため漁期を設け、水揚げ数量も制限している。[br][br] 三沢市漁協によると、20年度の市魚市場での水揚げ実績は、数量が279トンと前年度比606キロの微減。一方、金額は6612万円で同640万円減と大幅に落ち込んだ。[br][br] 市漁協の山本優参事は「ホッキガイは家庭より飲食店などで消費されることが多い食材」と説明。それだけに、外食や宴会といった需要減退の影響が大きいと指摘する。[br][br] 近年の価格動向を見ると、18年度は他県産も含め供給過剰から7年ぶりに1億円を割り、9242万円と低迷。さらに、19、20年度はコロナ禍で下落が続いた。操業日数も抑制したが、単価は回復しなかった。[br][br] 三沢から八戸の沿岸4漁協で構成する「北浜海域ほっき貝資源対策協議会」の会長を務める百石町漁協(おいらせ町)の木村慶造組合長は「資源はあるのに(漁獲しても)市場でさばききれない」と苦境を語り、「一日でも早くコロナが終息することを願うしかない」と続けた。[br][br] 不振は八戸市魚市場でも同様だ。市水産事務所のまとめによると、20年12月~21年4月(25日現在)の実績は数量204トン(前年同期比34トン増)、金額4987万円(346万円増)。過去5年で最低だった19年度を上回ったものの、低水準から脱しきれていない。[br][br] 青森県は品質向上への取り組みとして21年度、ホッキガイと競合するウニの一種「カシパン」を駆除する事業を計画している。しかし、仮に陸上へ持ち出した際には悪臭の問題や撤去費用がネックとなりそうで、各漁協ともスムーズに導入できるかどうか見通せていないのが実情だ。三沢・八戸両市魚市場のホッキガイ漁獲の推移