新規就農者定着に向け支援事業 高収益作物講習会や交流会実施へ/三八県民局

スナップエンドウの研修会の様子。今年からは新規就農者の定着に向け、さまざまな企画を用意する=昨年7月(三八地域県民局提供) 
スナップエンドウの研修会の様子。今年からは新規就農者の定着に向け、さまざまな企画を用意する=昨年7月(三八地域県民局提供) 
青森県三八地域県民局は本年度、新規就農者の定着に向けた支援事業をスタートさせる。新規就農者数は県内全体で伸びており、特に三八は他地域よりも非農家出身者が多いのが特徴。ただ、非農家のために経営耕地面積が狭く、就農5年目で所得100万円未満が9.....
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 青森県三八地域県民局は本年度、新規就農者の定着に向けた支援事業をスタートさせる。新規就農者数は県内全体で伸びており、特に三八は他地域よりも非農家出身者が多いのが特徴。ただ、非農家のために経営耕地面積が狭く、就農5年目で所得100万円未満が9割になるなど、課題も横たわる。事業は3カ年で、収益性の高い作物についての研修会や新規就農者同士の交流会、ファーマーズマーケットなどを開催し、次代を担う若手農家の早期経営安定を促していく考えだ。[br][br] 同県民局農業普及振興室によると、三八の新規就農者数は2016年が20人、17年27人、18年48人、19年38人と増加傾向。そのうち19年の非農家出身者は県全体では4割弱だったが、三八は6割超となるなど、ここ数年は農家出身者数を上回っている。[br][br] 理由として、リンゴが有名な津軽、ゴボウやナガイモの生産が多い上北に対し、三八ではさまざまな作物が栽培されていることから、非農家が比較的チャレンジしやすい環境にある。移住して就農するなどライフスタイルの変化も挙げられるという。[br][br] ただ、非農家は経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)なことに加え、経営耕地面積が小さいなど、条件が不利で十分な所得を確保できていないのが実情。15年は農家1戸当たりの耕地面積が県全体平均2・1ヘクタールだが、三八では1・2ヘクタールとおよそ半分。新規就農5年目の所得は100万円未満が県全体で73%に対し、三八では91%を占める。[br][br] 就農して5年目の30代男性は「自分がやりたいと決意して農家になったが、収入面での不安はある。家族もいるので、早く軌道に乗せたい」と本音を漏らす。[br][br] 県民局では新たに、支援体制づくりとして新規就農者支援連絡会議を開催。管内市町村との情報交換を行い、支援の在り方を探る。所得向上に向けては、ミニトマトやピーマン、スナップエンドウなど高収益作物の栽培講習会を予定する。地域に溶け込めるよう、新規就農者同士の交流会に加え、消費者と触れ合えるファーマーズマーケットも来年度実施する。[br][br] 同振興室の大和山真一室長は「特に非農家出身者の経営を早期に安定させることが今後の県内の農業にとっても重要。事業を通して、仕事への喜びややりがいを見いだしてもらいたい」と話している。スナップエンドウの研修会の様子。今年からは新規就農者の定着に向け、さまざまな企画を用意する=昨年7月(三八地域県民局提供)