AIがスポーツ戦略指南 サッカーのパスや野球の配球

 サッカーの試合をAIが分析したデータ(データスタジアム、株式会社Jリーグ提供)
 サッカーの試合をAIが分析したデータ(データスタジアム、株式会社Jリーグ提供)
人工知能(AI)が、データからスポーツ戦略を導き出すシステムが注目されている。サッカーでは成功率が高いパスコースを、野球では失点しない確率が高い配球をそれぞれ教えてくれる。AIはプロスポーツ選手が厳しい練習の末に身に付けた勘や経験を超えるこ.....
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 人工知能(AI)が、データからスポーツ戦略を導き出すシステムが注目されている。サッカーでは成功率が高いパスコースを、野球では失点しない確率が高い配球をそれぞれ教えてくれる。AIはプロスポーツ選手が厳しい練習の末に身に付けた勘や経験を超えることができるのか。[br][br] 昨年9月、J1大分―横浜FC戦の前半37分20秒。大分の守備選手からのパスが前線の攻撃選手に渡った。AIは瞬時に次に選択できるパスコースを三つ提示。この中の一つに選手はパスを出し、得点につながった。これが決勝点となり大分は1ー0で勝利した。[br][br] スポーツデータの分析を手掛けるJリーグのサポーティングカンパニー「データスタジアム」(東京)がシステムを開発した。サッカー用の「ピッチブレイン」は、試合の動画や選手の位置情報をAIが分析し、プレー中の全22選手の動きを三角印で表示。どの選手に次にパスを出すことができるか判断し、コースを提示する。[br][br] パスを出すスペースが空いているかだけでなく、選手の骨格や体の向きも判別。次に選手が動きだす可能性がある場所や相手が到達できるエリアを予測し、パスが成功するかを示す。[br][br] シュートする選手ばかりが注目されるが、ボールを持っていない選手の動きが重要だ。同社は「データを使えば、成功率が高いパスコースを客観的に導き出すことができる」と説明する。[br][br] J1鳥栖もAIを使った別のシステムを開発している。動画や位置情報からチームの戦術に合う選手をランク付けすることを目指しているという。 AIは野球にも活用されている。データスタジアムはピッチャーが失点しない可能性が高い次の配球を予測するシステムも開発した。プロ野球中継で「AIキャッチャー」として活用され、視聴者に予測を提供した。[br][br] プロ野球の過去16年間、約400万球分の投球データを全てAIが分析した。得点や出塁の状況、ピッチャーとバッターの過去の対戦成績も参照した。投手の得意とする持ち玉も分析し、最適な球種、コースを1・5秒で予測する。[br][br] 同社によると、このシステムを試合中に選手が参照してプレーすることはルール上できない。しかし複数のチームが導入を検討しているという。斉藤浩司執行役員は「試合の振り返りや戦略を考える上で役立ててほしい」と話している。 サッカーの試合をAIが分析したデータ(データスタジアム、株式会社Jリーグ提供)