展勝地(岩手)の桜に延命策 6年かけ土壌入れ替えへ

 樹勢の衰えが進み、延命策に乗り出すことが決まった展勝地の桜並木=16日、岩手県北上市
 樹勢の衰えが進み、延命策に乗り出すことが決まった展勝地の桜並木=16日、岩手県北上市
東北有数の桜の名所として知られる岩手県北上市の公園、展勝地は5月21日で開園100年を迎える。470本の桜も年を重ねて樹勢の衰えが進んでおり、市は本年度から6年をかけて土壌を入れ替える大規模な延命策に乗り出す。 北上川に沿って約2キロにわた.....
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 東北有数の桜の名所として知られる岩手県北上市の公園、展勝地は5月21日で開園100年を迎える。470本の桜も年を重ねて樹勢の衰えが進んでおり、市は本年度から6年をかけて土壌を入れ替える大規模な延命策に乗り出す。[br][br] 北上川に沿って約2キロにわたる桜並木では、満開となった4月中旬、大勢の見物客がマスク姿で静かに花見を楽しんでいた。栃木県栃木市の斎藤謙一さん(81)は「一度見に来たいと思っていた。この景色は守らなきゃいけない」と話す。[br][br] 植栽から140年の桜もある弘前公園(弘前市)を参考に、北上市は1999年から、根の張りを良くするために空気を注入して土を軟らかくし、液体肥料を施してきた。しかし新型コロナウイルス禍で「北上展勝地さくらまつり」が中止となった昨年は、財源の駐車場収入が得られず実施できなかった。[br][br] 2020年度の調査では、状態が「良」だったのは29本のみ。残りは「不良」「やや不良」「著しく不良」と対策は急務だ。市に助言している樹木医の小林勝さん(67)は「並木の根は見物客に踏まれて傷つきやすい。栄養のある土にすれば新しい根が出て、木も若返るはずだ」と説明する。[br][br] 根元全体の土を入れ替えるには約1億8千万円かかる見通し。市は企業版ふるさと納税を活用して賄う方針だ。 樹勢の衰えが進み、延命策に乗り出すことが決まった展勝地の桜並木=16日、岩手県北上市