「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん=当時(77)=が2018年に急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、殺人容疑などで逮捕された元妻須藤早貴容疑者(25)が事件前、薬物入手や殺害の方法をスマートフォンで検索、関連サイトにアクセスした形跡があったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。[br][br] 事件前、野崎さんが須藤容疑者に離婚を要求していたことも複数の知人らの証言で判明。県警は離婚話が殺害のきっかけになった可能性もあるとみて調べている。[br][br] 2人は18年2月に結婚。捜査関係者によると、県警が容疑者のスマホを調べ、野崎さんが同年5月に死亡するまでの間に「殺害」や「覚醒剤」といった単語で検索した履歴が残っていたことが分かった。病死に見せ掛ける方法などを説明するサイトにアクセスした形跡もあったという。[br][br] 知人らによると、野崎さんは結婚に際し、須藤容疑者に月100万円を渡すことを約束。結婚後、容疑者は東京都内で滞在することが多く、不満を募らせた野崎さんは離婚届に署名するよう複数回、要求したという。[br][br] スマホの位置情報解析から、容疑者が事件前、田辺市内で密売人に接触し覚醒剤を入手した疑いがあることが分かっている。県警は事件当日の夕食以降に野崎さんに飲ませ殺害したとみている。[br][br] 県警は野崎さん宅の防犯カメラ映像を解析し、第三者の来訪がなく死亡時に家にいたのは野崎さんと須藤容疑者だけと特定した。県警は容疑者の認否を明かしていないが、事件後の任意の事情聴取に関与を否定していたとみられる。