青森県内、クラスターで店名公表の有無分かれる “線引き”の分かりにくさに不満も 

施設名の行政による公表状況
施設名の行政による公表状況
青森県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、クラスター(感染者集団)が発生した施設や店について、行政側の公表の有無が分かれている。県の公表基準では、濃厚接触者を特定できるかどうか―という点を重視。顧客名簿などが存在し、保健所から濃厚接触.....
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 青森県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、クラスター(感染者集団)が発生した施設や店について、行政側の公表の有無が分かれている。県の公表基準では、濃厚接触者を特定できるかどうか―という点を重視。顧客名簿などが存在し、保健所から濃厚接触者に連絡できる場合は公表する必要はないとしている。行政側は施設や店に対する誹謗(ひぼう)中傷を懸念するため慎重姿勢だが、一部の民間事業者からは「対応が不公平だ」との声も聞かれる。[br][br] クラスターが発生した施設や店を公表する際、自ら保健所を設置する中核市の八戸市や青森市の対応は、県の基準に準じている。[br][br] 青森市では3月以降、飲食店や職場、障害者施設でクラスターが発生。現在は同市最大の歓楽街である本町周辺の飲食店を中心に相次いでおり、4月以降は計13件が確認された。[br][br] このうち同市が店名を公表したのは「接待を伴う飲食店」2件、「職場(陸上自衛隊青森駐屯地)」1件の計3件のみ。病院や障害者施設などに加え、バーなどは「飲食店」とだけ発表し、店名を非公表とした。[br][br] 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「飲食店クラスターに関連する人が利用した店舗は複数あるため、個別に店名を公表するよりは特定の地域(同市本町)を区切って呼び掛ける方が効果的だと判断した」と説明する。[br][br] 小野寺晃彦市長も21日の会見で「(個別に)名前を公表する意義は薄れてきている。さらす必要はなくなっている」と現在の対応に理解を求める。 だが、同市本町周辺の場合、行政が濃厚接触者を特定できない時は店名を公表するという従来の方針から、店名を公表するより特定の地域に区切って利用者に呼び掛ける対応に変更。公表の有無の“線引き”が分かりにくいことに対し、民間事業者や市民からは不満の声が上がる。[br][br] 八戸市内で飲食店を経営する40代男性は「本音を言えば公表してほしくないが、対応が分かれているのはよくない。不公平ではないかとの話を同業者の間でしている」と指摘。「不特定多数の人が利用する施設や店の場合は、原則公表すべきだ」と強調する。[br][br] 同市の保育施設関係者は「行政が公表しなくても、SNS(会員制交流サイト)などですぐに特定される。逆に施設側が自主的に公表せず批判を受ける場合もあり、イメージダウンにつながりかねない」との懸念を示す。 同市の30代の男性会社員は「非公表の部分が多いと不安で出歩けない。自分で自分の身を守るためにも必要な情報を出してほしい」と訴えた。施設名の行政による公表状況