こども庁「虐待ゼロ」を最優先 関係機関と連携不可欠、先行きは不透明

菅義偉首相は23日の衆院厚生労働委員会で、創設に意欲を示す「こども庁」を巡り、児童虐待防止を最優先政策とする考えを表明した。「一番大事なのは、虐待を受ける子どもをゼロにしないといけない」と述べた。政府内で子どもに関する政策を担う部局をこども.....
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 菅義偉首相は23日の衆院厚生労働委員会で、創設に意欲を示す「こども庁」を巡り、児童虐待防止を最優先政策とする考えを表明した。「一番大事なのは、虐待を受ける子どもをゼロにしないといけない」と述べた。政府内で子どもに関する政策を担う部局をこども庁に統合して縦割り行政の弊害を解消し、態勢強化を目指す。[br][br] ただ虐待防止対策は警察署や児童相談所など国以外の機関を含めた相互の連携が不可欠。中央省庁の組織改編がどこまで奏功するかは不透明だ。[br][br] 菅首相は同委員会で公明党の高木美智代氏の問いに答え、児童虐待に対応する官庁として内閣府や警察庁、文部科学、厚労、法務、総務各省を挙げ「現実的には各省庁縦割り」と指摘した。「子どもの視点に立って考える必要がある」と強調した。関係者によると「虐待ゼロ」は政府が準備した答弁書にはなく、首相の思いを反映した“アドリブ”だったという。[br][br] 児童虐待は近年増加傾向にある。警察庁の統計によると、2020年に全国の警察が摘発した児童虐待事件は2133件で、これに絡み被害に遭った18歳未満の子どもは2172人に上り、いずれも過去最多だった。うち61人が死亡した。[br][br] 警察や児童相談所、ドメスティックバイオレンス(DV)に対応する配偶者暴力相談支援センターなど行政機関同士の連携が不十分だとの指摘がある。虐待に一次的に対応するのは市区町村のケースも多いのが実情だ。