八戸市は21日の市議会経済協議会で、八戸北インター工業団地の2区画計1万2097平方メートルを、「おいらせ大地」(十和田市)と「東北電力ネットワーク」(仙台市)に分譲したことを明らかにした。おいらせ大地は冷蔵倉庫や車庫を整備し、運送事業の新たな拠点とする考え。東北電力ネットワークは、同市河原木の八戸電力センターを移転する。同工業団地の分譲率は95・8%に上昇した。[br][br] 農産物の生産や加工を手掛けるおいらせ大地は、六戸町にある同社の運送拠点を移す計画で、3月12日付で6610平方メートルを取得した。新拠点は2022年12月の操業を目指し、地元から新たに5人以上を雇用する予定という。同社は「交通の便が良く、取引先も八戸市内に多いため」と開設理由を説明した。[br][br] 東北電力ネットワークは、津波被害のリスク回避などを目的に、八戸電力センターを移転する。3月3日付で5486平方メートルを取得。23年夏の操業を目指す。[br][br] 市によると、20年度の分譲件数は6件で、過去10年間で最も多かった。分譲した企業6件のうち3件は運送事業者で、コロナ禍で物流の重要性が高まったほか、同工業団地の用地が残り少なくなっていたことで引き合いが強まったとみられる。[br][br] 一方、同工業団地の受け入れは限界に近く、新産業団地の整備が急務となっている。市産業労政課の小笠原了課長は「北インターの残りの分譲を進めつつ、新産業団地の24年度中の分譲開始に向けて整備を進めたい」と話した。