大阪府の吉村洋文知事は19日、府内の新型コロナウイルスの感染状況について「非常に厳しい」と述べ、政府に緊急事態宣言の発令を要請する意向を記者団に示した。20日に対策本部会議を開いて正式決定、同日中に伝達する。兵庫県の井戸敏三知事も「大阪と同一歩調を取った方が良い」と話した。東京都は週内にも政府へ要請する方向で検討を進めていることが関係者への取材で分かった。[br][br] 加藤勝信官房長官は19日の記者会見で、要請があれば速やかに検討するとの認識を示し「大事なことは感染の拡大を防止するため、実効性のある対策をどう講じていくかだ」と述べた。政府が発令を決定すれば、いずれも3度目。[br][br] 一方、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県は20日から、緊急事態の前段階で感染を抑える「まん延防止等重点措置」が始まる。愛媛県は19日、まん延防止措置を近く国に要請する方針を表明した。「第4波」封じ込めへ、各地で対応を模索する動きが続く。[br][br] 菅義偉首相は19日の自民党役員会で「大阪、東京の状況を含め引き続き強い警戒感を持つ。各都道府県と連携しながら、重点措置を徹底し、病床確保に全力を挙げる」と述べた。[br][br] 大阪では5日からまん延防止措置を実施しているが、18日は感染発表の少ない日曜にもかかわらず過去最多の1219人を記録。措置の開始から2週間となる19日も月曜として極めて多い719人だった。吉村氏は「まん延防止措置では(感染力が強いとされる)変異株の急拡大を十分に抑える力にならない」として、より強い対策が必要と判断した。[br][br] 宣言の内容について吉村氏は「国の判断」としつつ「感染リスクが高い飲食店やテーマパークなどの大規模商業施設には休業要請も必要」との認識を示した。感染症法に基づいて軽症・中等症病床を新たに1100床確保するよう医療機関に要請。松井一郎大阪市長は19日、宣言が出れば市立の小中学校での授業を「基本的にオンラインにする」と記者団に明らかにした。[br][br] 兵庫は対策本部会議を21日に開き、緊急事態宣言の要請をするかどうか判断する。一方、京都府の西脇隆俊知事は現時点での宣言要請に否定的な考えを示した。