【新型コロナ】世界で死者300万人超、猛威続く

 新型コロナウイルス感染症による1日当たりの死者数推移
 新型コロナウイルス感染症による1日当たりの死者数推移
新型コロナウイルス感染症による死者が世界で300万人を超えた。最多の死者を出した米国はワクチン接種が進み抑制傾向だが、変異株拡大やワクチン不足で感染が止まらないブラジルやインドは死者数も第2波が到来。「若者の犠牲が増えている」。3密の葬儀、.....
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 新型コロナウイルス感染症による死者が世界で300万人を超えた。最多の死者を出した米国はワクチン接種が進み抑制傾向だが、変異株拡大やワクチン不足で感染が止まらないブラジルやインドは死者数も第2波が到来。「若者の犠牲が増えている」。3密の葬儀、緩み…。生活の隙を突くウイルスの猛威は続く。[br][br] ▽急 増[br] 「今朝は16人埋葬した」。死者が世界で2番目に多いブラジル。最大都市サンパウロ市が運営する南米最大の墓地「ビラ・フォルモザ」で責任者の男性が漏らした。作業員が手を休めずに新しい墓穴を掘る中、ひっきりなしにひつぎが運ばれてくる。[br][br] 1月ごろから死者が増え、1日12時間墓を掘る作業員は夜間シフトも組まれるようになった。4月に1日当たりの死者が4千人を超えた日もあるブラジル。待合室で遺族らが「3密」になることがほぼ常態化している。この日も約40人が密集して歌いながら埋葬に立ち会う姿が見られた。[br][br] 急増の要因は変異株だ。地元メディアによると、サンパウロでは、昨年0件だった北西部アマゾナス州由来の変異株が3月には感染者の9割に見つかるまで急拡大。年齢層も変化し、3月半ばごろには40歳以下の集中治療室(ICU)患者が過半数に達した。[br][br] ブラジル集中治療医療協会のレゼンデ元会長は、変異株の重症化リスクに加え、高齢者へのワクチン接種が進む一方、若年層は仕事のため外出する必要があると指摘。「若者が最大の被害者になっている」と警鐘を鳴らす。[br][br] ▽疲 弊[br] 次々と来る人々が、がっかりした表情を浮かべて帰っていく。インドの首都ニューデリー近郊のワクチン接種会場は青い柵で閉まっていた。「本日は接種できません。ワクチンが入手できません」。ひもで固定された段ボールの切れ端に走り書きがあった。「政府の失策だ」。高齢の男性が怒りをあらわにした。[br][br] 4月に入り1日の感染確認が20万人を超えたインド。死者も千人超だ。医療関係者や高齢者中心だった接種は45歳以上の国民が対象に。感染と接種対象拡大が重なった。[br][br] 政府はワクチン不足を否定するが、国内製造の2種類しか認めなかった姿勢を一転し、13日にロシア製も承認。日米や世界保健機関(WHO)が認めたワクチンは臨床試験を簡素化し迅速に認める方針も表明した。[br][br] 感染が抑制されていた2月、街中ではマスクを外した人が目立ち、飲食店も混み合っていた。医療関係者は「緩み」を指摘。“コロナ疲れ”に世界が苦しむ。[br][br] 接種できずに引き揚げる人々に不安がないか尋ねた。「悲観しても仕方がない。いずれ自分の番が来る。ワクチンがあることを前向きに考えている」。強がりか本音か、多くがこう答えた。(サンパウロ、ニューデリー共同) 新型コロナウイルス感染症による1日当たりの死者数推移