【ミャンマー情勢】「民政復活」占いに希望

 ミャンマー・ヤンゴンで、占星術師団体の会報を読む女性=9日(共同)
 ミャンマー・ヤンゴンで、占星術師団体の会報を読む女性=9日(共同)
【ヤンゴン共同】国軍がクーデターで全権を握ったミャンマーで、民政復活を願う市民が占いを心のよりどころにしている。占いは人々の生活に根付き、政治にも影響を与えてきた。「平和が訪れる」「権力者が失脚する」。そうした予言を見つけては知人と共有。弾.....
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 【ヤンゴン共同】国軍がクーデターで全権を握ったミャンマーで、民政復活を願う市民が占いを心のよりどころにしている。占いは人々の生活に根付き、政治にも影響を与えてきた。「平和が訪れる」「権力者が失脚する」。そうした予言を見つけては知人と共有。弾圧が終わる気配がない中、少しでも希望を見いだそうとしている。[br][br] 「水がめを手にした神が降臨した。弾圧がもうすぐ終わるとの吉兆だ」。最大都市ヤンゴンに住む女性チョーさん(48)が声を弾ませた。13日からのミャンマー正月「ティンジャン」休暇を前に、占星術師の団体は今後1年の運勢を載せた会報を発行した。[br][br] チョーさんは「他の占星術師も状況が良くなると言っている」と力説。中部バゴーで茶店を営む女性(52)は「明るい見通しの予言は勇気づけられる。知り合いにも教えている」と話す。[br][br] 多くの市民が仕事や恋愛の悩みを占い師に相談し、有力政治家や軍人にはお抱えもいるとされる。手相やタロットもあるが、占星術の人気はとりわけ高い。[br][br] バゴーで著名な占星術師の70代男性は、3月に入ると弾圧が激化すると予言していた。言葉通りに事態は悪化。人権団体「政治犯支援協会」によると、弾圧でこれまでに700人以上が死亡し、バゴーでは4月9日だけで82人が犠牲になった。一方、ティンジャン明けに「星は再び輝く。市民の革命は成就する」と語り、市民に希望を与えている。[br][br] ヤンゴンでは4月初め、真夜中にカラスが鳴き騒ぐ様子を撮った動画が、会員制交流サイト(SNS)で人気に。「権力者が失脚する予兆」(チョーさん)という。ただ国軍の横暴を止めるすべがないのが現状だ。占いや迷信にすがるのは、なんとか光明を見つけたい思いの裏返しでもある。 ミャンマー・ヤンゴンで、占星術師団体の会報を読む女性=9日(共同)