【米イラン間接協議】イラン、5月合意目指す 核合意再建に向け

 イラン・ナタンズのウラン濃縮施設=2005年3月(ロイター=共同)
 イラン・ナタンズのウラン濃縮施設=2005年3月(ロイター=共同)
ウィーンで続く米国とイランの間接協議で、イランが5月中旬までに核合意再建に向けた暫定合意を目指していることが17日、複数のイラン高官の話で分かった。米国の対イラン制裁解除とイランの核開発制限を同時に進める行動計画を盛り込む。米国に対しては、.....
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 ウィーンで続く米国とイランの間接協議で、イランが5月中旬までに核合意再建に向けた暫定合意を目指していることが17日、複数のイラン高官の話で分かった。米国の対イラン制裁解除とイランの核開発制限を同時に進める行動計画を盛り込む。米国に対しては、仲介役の欧州を通じ、解除できる制裁のリストを早期に提出するよう要求している。[br][br] イランは16日、濃縮度60%のウラン製造を始め、制裁解除を急ぐよう圧力を強めた。90%の核兵器級に近づく挑発だが、製造量を少量に抑える配慮を見せ、間接協議は続ける方針。米国は「核合意違反で無益だ」(バイデン米大統領)と懸念を示しつつ、協議継続に前向きな姿勢を示しているが、イランの思惑通りに進むかは不透明だ。 合意を離脱したトランプ前政権は核開発関連の制裁を再発動しただけでなく、弾道ミサイル開発や中東での不安定化工作、人権侵害といった分野で1500以上の新たな制裁を科した。イランは全制裁の解除を要求しているが、米国は一部は残すと主張、間接協議の争点の一つになっている。[br][br] 複数の高官によると、イランは核合意の全面履行に向けたイランの行動を列挙したリストを既に用意した。高官は、米国が解除できる制裁のリストを提示しないため、行動計画の策定が進んでいないと主張した。[br][br] 5月中旬までに暫定合意したいとの目標には、イランが核施設の最低限の検証作業を認める国際原子力機関(IAEA)との取り決めが5月下旬に期限を迎えることが背景にある。イランは期限が過ぎれば、核施設の監視カメラのデータを消去すると警告しており、必要な核査察が実施できなくなる恐れがある。[br][br] バイデン氏は16日の記者会見で「議論はまだ続いており、成果を判断するのは時期尚早」と述べた。イラン代表団は16日もウィーンに残り、英仏独などと協議を続けた。 イラン・ナタンズのウラン濃縮施設=2005年3月(ロイター=共同)