【日米首脳会談】共同声明「台湾安定」明記

 会談後、共同記者会見するバイデン米大統領(右)と菅首相=16日、ワシントンのホワイトハウス(UPI=共同)
 会談後、共同記者会見するバイデン米大統領(右)と菅首相=16日、ワシントンのホワイトハウス(UPI=共同)
【ワシントン共同=新冨哲男】菅義偉首相は16日午後(日本時間17日午前)、バイデン米大統領とホワイトハウスで初めて対面で会談した。両首脳は会談後、共同声明を発表し、中国が覇権的動きを強める台湾海峡を巡り「平和と安定の重要性を強調し、両岸問題.....
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 【ワシントン共同=新冨哲男】菅義偉首相は16日午後(日本時間17日午前)、バイデン米大統領とホワイトハウスで初めて対面で会談した。両首脳は会談後、共同声明を発表し、中国が覇権的動きを強める台湾海峡を巡り「平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。東シナ海での一方的な現状変更の試み、南シナ海での不法な海洋権益主張に反対すると強調。香港、新疆ウイグル自治区の人権状況に「深刻な懸念を共有する」と盛り込んだ。気候変動や新型コロナウイルス対策での連携も確認した。[br][br] 日米首脳の共同文書で台湾に言及するのは、冷戦期の1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領の会談以来で52年ぶり。72年の日中国交正常化以降初めてとなる。会談後、首相は台湾海峡や沖縄県・尖閣諸島を巡る情勢に関し「厳しい状況が続いているのは事実だ。平和裏に解決することを最優先にすると合意した」と記者団に述べた。[br][br] バイデン氏は1月の就任後、外国の首脳と初めて対面で首相と会談した。首相は共同記者会見で、共同声明について「日米同盟の羅針盤となる」と強調。両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を再確認した。日米韓3カ国の協力が共通の安全と繁栄に不可欠だと一致した。多数の死傷者が出ているミャンマー情勢を強く非難し、暴力の即時停止などを求めた。[br][br] 会談で首相は「日米同盟の強固な絆を確認したい」と指摘した。バイデン氏は核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日本の防衛に対する揺るぎない支持を表明。尖閣諸島に関し、米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象と改めて確認した。首相は日本の防衛力強化への決意を示した。東京五輪・パラリンピック開催への支持も得た。 共同声明は、日米両国が北朝鮮の完全な非核化に取り組むと確認。バイデン氏は拉致問題の即時解決への米国の関与を確認した。脱炭素化とクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップを立ち上げるほか、新型コロナワクチンの世界規模での供給で協力すると申し合わせた。[br][br] バイデン氏は、新型コロナウイルスに加え「次の感染症」も視野に日米で備えを進めると強調した。両国は半導体を含む機微なサプライチェーン(部品の調達・供給網)でも連携する。[br][br] 台湾海峡に関する共同声明の記述は、3月の日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)共同文書の表現を踏まえた。[br][br] 会談は約2時間半。最初に通訳を入れた個別会談を約20分行った後、少人数会合と拡大会合をそれぞれ約1時間開いた。 会談後、共同記者会見するバイデン米大統領(右)と菅首相=16日、ワシントンのホワイトハウス(UPI=共同)