動作確認テスト実施せず 事務次官ら厳重処分 コロナアプリで厚労省

 スマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA」の画面=2月、厚労省前
 スマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA」の画面=2月、厚労省前
新型コロナウイルス対策で開発されたスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」がアンドロイド版で4カ月間機能していなかった問題で、厚生労働省は16日、不具合が見逃されたのは、動作を確かめるテストを実施しなかったのが主な原因だとす.....
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 新型コロナウイルス対策で開発されたスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」がアンドロイド版で4カ月間機能していなかった問題で、厚生労働省は16日、不具合が見逃されたのは、動作を確かめるテストを実施しなかったのが主な原因だとする検証報告書をまとめた。導入を急ぐあまりに基本作業が軽視されたとして、事務次官と健康局長を文書による厳重注意処分とした。[br][br] 検証チームはこのほか運用や品質管理を委託した複数の業者の役割分担がはっきりしていなかった点や、外部から出た不具合の指摘に対応できなかった点も問題視した。厚労省はアプリの開発や運用の知識や経験に乏しく、人員も不足し、状況をきちんと把握できていなかった。[br][br] 田村憲久厚労相は閣議後記者会見で「発注者としてプロジェクトを適切に管理していなかった。十分反省しないといけない。専門知識を持つ方々の力を貸してもらいながら、しっかりと運用していきたい」と述べた。[br][br] 不具合は、昨年9月28日にアンドロイド版を更新した際に発生。陽性者の入力から接触者に通知が届くまでの一連の動作を確かめるテストをする必要があったが、仕組みが整っていなかった。10月には整ったが、厚労省や業者は他の問題への対応に追われており、テストを優先的に実施するための検討をしなかった。[br][br] 11月には、多くの技術者が閲覧するサイトで不具合の原因であるプログラムミスが指摘されたが、業者と厚労省で情報が十分共有されず、今年1月に問題が明らかになるまで放置された。[br][br] 再発防止策として、導入後に不具合が起きる前提での体制の確保や人材の育成、外部の専門家や政府内のIT専門部署との連携を挙げた。 スマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA」の画面=2月、厚労省前