東芝、車谷社長が辞任 買収提案巡り経営陣対立

 オンライン記者会見をする東芝の綱川智新社長(右)と永山治取締役会議長=14日午後(同社提供)
 オンライン記者会見をする東芝の綱川智新社長(右)と永山治取締役会議長=14日午後(同社提供)
東芝は14日、車谷暢昭社長が同日の臨時取締役会で辞任したと発表した。後任として綱川智会長が社長を兼務する。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる東芝買収提案を巡る経営陣の対立が辞任の背景にある。車谷氏は2017年から18年まで.....
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 東芝は14日、車谷暢昭社長が同日の臨時取締役会で辞任したと発表した。後任として綱川智会長が社長を兼務する。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる東芝買収提案を巡る経営陣の対立が辞任の背景にある。車谷氏は2017年から18年までCVC日本法人会長を務め、他の取締役らは提案を「私物化」と判断したもようだ。[br][br] 米投資ファンドなども買収提案を検討しているとされ、東芝の争奪戦になる可能性が出てきた。巨額買収劇は混迷の度合いを深めている。同日午後にオンラインで開いた記者会見には永山治取締役会議長(中外製薬名誉会長)と綱川氏が出席。永山氏は車谷氏辞任について「経営安定化の道筋を付けて再生ミッションが完了したことから辞任の申し出があり、受理した」と述べた。綱川氏は「株主や利害関係者との信頼構築に努めたい」と語った。[br][br] 車谷氏は「物言う株主」との関係が悪化し、昨年の定時株主総会では再任議案の賛成が57%台にとどまった。今年6月に開く株主総会での再任のため、CVCと協力し買収で株式を非公開化するとの疑念が強まり、取締役らの離反を招いた。[br][br] 永山氏はCVC提案に「内容が乏しく、大変唐突だ。慎重な検討を要する問題が少なからずある。極めて流動的な情勢だ」と指摘した。[br][br] 車谷氏は会見に出席せず「東芝の再生ミッションを完了し、達成感を感じている。激務から離れて心身とも充電したい」とコメントを発表した。[br][br] 車谷氏は1980年に三井銀行(現三井住友銀行)に入行し、同行の副頭取やCVC日本法人会長を歴任した。2018年4月から東芝の会長兼最高経営責任者(CEO)となり、昨年4月には綱川氏と交代する形で東芝社長に就任していた。[br][br] CVCは6日付で東芝買収の初期提案を送付した。東芝株を1株5千円、総額2兆3千億円規模で買い取る株式公開買い付け(TOB)の実施を7~8月に目指すとしていた。[br][br] 14日の東京株式市場では、ファンドによる買収合戦に発展するとの観測から東芝株に買い注文が集中し、今年の高値を更新した。 オンライン記者会見をする東芝の綱川智新社長(右)と永山治取締役会議長=14日午後(同社提供)