Jリーグ参入3年目。これまで2季連続2桁順位と低迷するチームの立て直しを託されたのは、昨季ヘッドコーチとしてチームを支えた葛野昌宏監督(45)。J3昇格を果たした2018年以来、3年ぶりの監督復帰だ。J2昇格圏内を目標に掲げ、「一試合一試合、戦う姿勢を見せる」と士気は高い。目指すチーム像や選手に求めることなどを聞いた。[br][br] (3月18日に発行した月刊Dash3月号から記事をセレクトしてお届けします)[br][br] -3年ぶりの監督復帰となった。[br][br] 以前指揮したのは日本フットボールリーグ(JFL)所属の時。J3に上がって、今季は特に選手の入れ替えが15人。半分以上が新しい選手でスタートしたというところで違いはある。今季はチームとしての戦いを一試合一試合、積み重ねてやっていく。[br][br] -昨季はリーグ15位と成績が振るわなかった。[br][br] 得点が取れても、失点が多かったために勝ち星を逃した試合が多かった。守備はなかなか個人でできるものではない。チームとして組織で守備をするという部分が昨季は足りなかった。その反省を踏まえ、今季は組織をしっかりつくって、チームとして守る。攻撃面では、特徴ある選手補強ができたと思うので、個人の強みを出せる戦いをしていく。[br][br] -どんなチームを目指していくのか。[br][br] 技術や形はもちろん重要だが、まずは土台の部分。ピッチの上で簡単に倒れたり、反則をアピールしたりしてほしくない。倒されても倒されても何度でも起き上がって立ち向かっていく姿勢がこのチームには必要。そんな姿勢を見せることで、観客にも面白さとか、勇気を与えるような試合をしたい。[br][br] -新井山祥智を主将に再起用した意図は。[br][br] 半分以上が新加入と、メンバーが大きく変わった状況の中で、ヴァンラーレのサッカーをもう一度つくり上げていかなければならない。新井山は10年以上もヴァンラーレでプレーしてきて、チームを知り尽くしている。チームの根本的な部分を継承していくために指名した。言葉で盛り上げるタイプではないので、プレーや姿勢で引っ張ってほしい。[br][br] -チームの仕上がりは。[br][br] まだ、全体的に遠慮している部分がある。特に大卒の選手には、もっと自分のプレーをアピールしてほしい。Jリーグで戦ってきた選手には、経験を言葉やプレーで示してほしい。勝っていくためには、どれだけチームのスタイルを継続していけるかが重要。リアクションでサッカーをせず、チームの戦い方を貫くことが、結果にもつながってくるはずだ。[br][br] -3-5-2のシステムで戦った開幕初戦は引き分けだった。[br][br] 相手と力量差がある中で、無失点で終えられたのは、近石哲平らディフェンス面が機能していたからだ。攻撃はもう一段工夫が必要。今後は中盤の構成とワイドがキーマンになると思う。[br][br] -ファンに向けて。[br][br] 18年以降、特にホームの成績が良くない。今季こそ、ホームで勝てるサッカーを見せたい。昨季は新型コロナウイルスの影響で無観客試合などを経験し、観客の目が力になることを実感した。コロナ禍でもサッカーができることに心から感謝し、ファンを勇気づけられるサッカーを見せていきたい。